概要情報
事件名 |
高岡ハイヤー |
事件番号 |
高知地労委 平成 5年(不)第1号
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申立人 |
自交総連高岡ハイヤー労働組合 |
被申立人 |
有限会社 高岡ハイヤー |
命令年月日 |
平成 5年12月16日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、組合員に対して(1)平成4年11月以降の賃金につき、同年3月15日に組合と締結した労働条件に関する確認書によらずに減額して支払ったこと、(2)新たな賃金支払方式を了承しない限り、時間外労働協定を締結しないとして、平成5年2月1日以降時間外労働を禁止したことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 高知地労委は、(1)平成4年3月15日に締結した労働条件に関する確認書によらない賃金の減額払い及び時間外労働の禁止などの不利益取扱い及び組合運営に対する支配介入の禁止、(2)平成5年2月1日以降、賃金の減額なしに支払い、かつ、時間外労働に従事していたならば得たであろう賃金相当額の支払いを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人の組合員の賃金額について、平成4年3月15日に締結した労働条件に関する確認書に定める金額を減額して支払ったり、時間外労働を禁止するなどの不利益取扱いをしてはならず、かつ、これにより申立人の運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、申立人の組合員に対して、平成5年2月1日以後その賃金について、前項記載の賃金の減額なしに支払い、かつ、時間外労働に従事させるまでの間、同組合員が時間外労働に従事していたならば得たであろう賃金相当額(当該期間の賃金として既に支払われた金額を除く。)を支払わなければならない。この場合において、賃金相当額のうち時間外労働に係る額は、平成4年11月分から平成5年1月分までの同組合員各自の当該平均月額を基礎に算定するものとする。 3 申立人のその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
1302 就業上の差別
労使間の確認書に反して、組合員の賃金額を減額して支払ったり、時間外労働を禁止したことが、確認書を無意味なものにすることにより、組合員に不安と不利益を与え組合の弱体化を意図したものとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集98集296頁 |
評釈等情報 |
 
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