概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(岡山昇給) |
事件番号 |
岡山地労委 平成 1年(不)第3号
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申立人 |
国鉄労働組合岡山地方本部 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 5年 9月17日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、組合員11名に対し国労バッジを着用するなど勤務成績が特に良好でなく、昇給欠格条項に該当するとして、昇給を1号俸減じて昇給させたことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 初審岡山地労委は、組合員11名に対する昇給の1号棒加算及び差額相当額の支給、昇給決定に当たって、組合所属を理由に不利益な取扱いをすることによる支配介入の禁止及び文書手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合岡山地方本部所属の組合員であるX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10及びX11に対して、昭和63年度昇給における号俸を1号加算して所定の4号俸支給したものとして取り扱うとともに、現在までに支給した金額との差額を支払わなければならない。 2 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合岡山地方本部所属の組合員に対し、昇給の決定に当たって、組合所属を理由にその昇給号俸について不利益な扱いをすることにより、申立人国鉄労働組合岡山地方本部の弱体化を図るなどの支配介入をしてはならない。 3 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合岡山地方本部に対して、本件命令後速やかに、次の文書を手交しなければならない。 記 平成 年 月 日 国鉄労働組合岡山地方本部 執行委員長 X12殿 西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 Y1 当社が、貴組合所属の組合員に対して、昭和63年度昇給を所定の4号俸から1号俸減じて3号俸としたことは、岡山県地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定されましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
3600 処分の差別
組合バッジは単に組合所属を表示するにすぎないこと、増収、提案等は任意自主的に行うものであること等からみて、組合バッジの着用や勤務成績の不良を理由とする昇給不実施に合理性はなく、むしろ組合嫌悪によるものとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集98集20頁 |
評釈等情報 |
 
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