労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  豊栄運輸 
事件番号  福岡地労委 平成 3年(不)第7号 
申立人  全国一般労働組合福岡地方本部 
被申立人  豊栄運輸 有限会社 
命令年月日  平成 5年 7月12日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)組合員X1及びX2両名の担当車種を変更したこと及び同問題についての団交を拒否したこと、(2)業務命令拒否を理由にX2を懲戒解雇したこと、(3)X2ら3名に対し、早出・残業について非組合員と差別扱いをしたことが争われた事件で、(1)について車種の変更自体は不当労働行為には当たらないとしたものの、労働条件の変更を来す可能性があることから団交応諾を命じ、(2)について原職復帰と命令交付日の翌日から原職復帰迄の間のバックペイを命じ、その余の申立てについては棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人組合の申し入れる、同組合員X1及び同X2の担当車種変更に関する団体交渉に応じなければならない。
2 被申立人は、申立人組合員X2に対して、次の措置を講じなければならない。
 (1) 平成 3年 8月13日付懲戒解雇を撤回し、原職に復帰させること。
 (2) 本件命令交付日の翌日から原職復帰に至る迄の間の賃金相当額を支払うこと。
3 申立人のその余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  0700 職場規律違反
3500 処分の時期
コンテナ車乗務命令を拒否した分会長の懲戒解雇は、担当車種変更問題の団交が行われる7日前に卒然として行われており、2回にわたるストのの10日後であったことを併せ考えれば、同人を企業外に排除し、組合弱体化を図った不当労働行為とされた例。

1201 支払い遅延・給付差別
1302 就業上の差別
抜き打ち的ストの後、会社が顧客から取引停止の措置を受けることを防止するため、組合員らに早出を命じず、そのため残業手当が減少しても、会社の措置が必要上且つやむを得ないものと見られる以上、不当労働行為ではないとされた例。

1302 就業上の差別
取引先での腕章着用に対して、その取り外しの要請を受けた会社が、X1に腕章を外すように命じ、これに従わないため、担当車種を変更しても、取引先でのトラブル防止を配慮した措置であり、不当労働行為ではないとされた例。

2300 賃金・労働時間
担当車種の変更は、労働条件に変更をきたす、あるいはその可能性のある事柄であって、人事権に属する事項であるとして、これに関する団交を拒否することは許されないとされた例。

4408 バックペイが認められなかった例
分会長が、診断書を提示するなどして会社の理解を得るべく努めないまま会社の業務命令を無視しつづけたことは非難を免れず、労使関係の適正な回復のためには、本命令交付後、原職復帰までの部分的バックペイを命ずることが相当であるとされた例。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集97集278頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約273KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。