概要情報
事件名 |
大阪ケミカル工業・ダイケミ(組合事務所等) |
事件番号 |
大阪地労委 平成 3年(不)第18号
大阪地労委 平成 3年(不)第31号
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申立人 |
総評全国一般労働組合大阪地方連合会大阪一般労働組合 |
被申立人 |
大阪ケミカル工業 株式会社 |
被申立人 |
株式会社 ダイケミ |
命令年月日 |
平成 5年 6月25日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合からの申入れのあった賃金改訂等の要求書についての団交に誠実に応じなかったこと、(2)分会事務所、分会掲示板の使用を妨害したこと、(3)社長が、組合員X1に対し暴行を加えたことが争われた事件で、分会事務所、分会掲示板の使用妨害の禁止、及び(1)、(3)についてはポスト・ノーティスを命じ、謝罪文の手交等の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人株式会社ダイケミは、申立人組合大阪ケミカル工業分会の分会事務所の周囲や分会掲示板の前に靴の金型等を置くなどして、分会事務所及び分会掲示板の使用を妨害してはならない。 2 被申立人株式会社ダイケミは、1メートル×2メートル大の白色板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社玄関付近の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 総評全国一般労働組合大阪地方連合会 大阪一般労働組合 執行委員長 X2殿 株式会社ダイケミ株式会社 代表取締役 Y1 代表取締役 Y2 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1) 貴組合から申入れのあった平成3年3月8日付け要求書記載事項に関する団体交渉において不誠実な対応を行ったこと (2) 貴組合大阪ケミカル工業分会の分会事務所の周囲や分会掲示板の前に靴の金型等を置いて、分会事務所や分会掲示板の使用を妨害したこと (3) 平成3年6月6日に当社社長が貴組合員X1氏に体を押しつけたり、小競り合いの中で同氏を手で突き、体を壁に打ち当てるなどの暴行を加えたこと 3 被申立人大阪ケミカル工業株式会社は、1メートル×2メートル大の白色板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社玄関付近の従業員の見やすい場所に1週間掲示しなければならない。 記 年 月 日 総評全国一般労働組合大阪地方連合会 大阪一般労働組合 執行委員長 X2殿 大阪ケミカル工業 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1) 貴組合大阪ケミカル工業分会の分会事務所の周囲や分会掲示板の前に靴の金型等を置いて、分会事務所や分会掲示板の使用を妨害したこと (2) 平成3年6月6日に当社社長が貴組合員X1氏に体を押しつけたり、小競り合いの中で同氏を手で突き、体を壁に打ち当てるなどの暴行を加えたこと 4 申立人のその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1602 精神・生活上の不利益
2700 威嚇・暴力行為
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
O,D両社従業員出席の朝礼の場でなされた両社の社長の行った組合員1名に対する暴行が7条1、3号の不当労働行為とされた例
2130 雇用主でないことを理由
O社は、和解協定書において、団交当事者を関連会社の組合とすることとしていること等からみて、賃金改訂等についての団交当事者たりえないとされた例。
2245 引き延ばし
D社の団交態度は、組合要求事項の要求根拠の説明等を求めるに終始し、回答を引き延ばす一方、関連のない事項を持ち出して、団体の形骸化を狙ったとみるのが相当であり、不誠意団交であるとされた例。
3020 組合活動への制約
組合事務所や組合掲示板の周囲に金型アングルをおいたことが、O,D両社の社長Y1の言動等からみて、その使用を妨害しようとした支配介入であるとされた例。
4909 事業分離後の新企業体
D社はO社の製造部門を別法人化した会社で、社長、所在地が同一で、2社の朝礼が合同で行われていること等から実質的に一体の関係にあり、O社はD社の労働関係による支配力、影響力を有するから、O社も被申立人適格があるとされた例。
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業種・規模 |
なめし革・同製品・毛皮製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集97集243頁 |
評釈等情報 |
 
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