概要情報
事件名 |
東海旅客鉄道(国労組合バッジ) |
事件番号 |
大阪地労委 平成 2年(不)第49号
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申立人 |
国鉄労働組合近畿地方本部 |
申立人 |
国鉄労働組合近畿地方本部大阪地区本部大阪新幹線支部 |
申立人 |
国鉄労働組合近畿地方本部大阪地区本部大阪新幹線支部大阪電気所分会 |
被申立人 |
東海旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 5年 5月24日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合バッチ着用を理由に平成2年及び3年に厳重注意又は訓告処分を行ったこと、(2)組合バッチ着用による訓告処分を理由として平成元年年末手当、平成2年夏季及び年末手当、平成3年夏季手当を5%の減額支給を行ったこと、(3)組合バッチ着用による訓告処分を理由として平成2年及び3年の昇給に際して、賃金規定に定める昇格欠格条項該当者として取扱い、所定昇給号俸の4分の1を減ずる措置をとったことが争われた事件で、(1)について厳重注意または訓告処分がなかったものとしての取扱い、(2)について平成元年年末手当から平成3年夏季手当までの間の減額分の支払い、(3)について所定昇給号俸の4分の1を減ずる措置がなかったものとしての取扱い及び(1)(2)(3)に関する文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、別紙目録1記載の申立人所属組合員に対し、組合バッジ着用を理由として行った(1)平成 2年 3月22日、(2)同年 9月25日及び(3)平成 3年 3月25日付け厳重注意あるいは訓告処分をなかったものとして取り扱わなければならない。 2 被申立人は、別紙目録2記載の申立人所属組合員に対し、組合バッジ着用による訓告処分を理由として、(1)平成元年年末手当、(2)平成2年夏季手当、(3)同年年末手当及び(4)平成3年夏季手当について減じた額の金員を当該組合員に支払わなければならない。 3 被申立人は、別紙目録3記載の申立人所属組合員に対し、組合バッジ着用による訓告処分を理由として行った、平成2年度及び3年度の昇給に際して所定昇給号俸の4分の1を減じた措置について、これらをなかったものとして取り扱わなければならない。 4 被申立人は、大阪電力所等に勤務する申立人分会所属組合員に対し、厳重注意及び訓告処分と結び付けて組合バッジの取り外しを求めたり、年末手当及び夏季手当の支給並びに昇給に際し、組合バッジ着用を理由として同手当の減額並びに昇給欠格条項該当者としての取扱いをしてはならない。 5 被申立人は、申立人各組合に対し、下記の文書を速やかに、手交しなければならない。 記 年 月 日 国鉄労働組合近畿地方本部 執行委員長 X1殿 国鉄労働組合近畿地方本部大阪地区本部 大阪新幹線支部 執行委員長 X2殿 国鉄労働組合近畿地方本部大阪地区本部 大阪新幹線支部大阪電気所分会 執行委員長 X3殿 東海旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 1 貴組合員に対し、組合バッジ着用を理由として(1)平成 2年 3月22日、(2)同年 9月25日及び(3)平成 3年 3月25日付けで厳重注意あるいは訓告処分を行ったこと 2 貴組合員に対し、組合バッジ着用による訓告処分を理由として(1)平成元年年末手当、(2)平成2年夏季手当、(3)同年年末手当及び(4)平成3年夏季手当をそれぞれ減額したこと 3 貴組合員に対し、組合バッジ着用による訓告処分を理由として平成2年度及び3年度の昇給に際して、賃金規程に定める昇給欠格条項該当者として取り扱ったこと |
判定の要旨 |
0210 リボン・ワッペン等の着用
1203 その他給与決定上の取扱い
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合バッチ着用による訓告処分を理由として、平成元年ないし3年の夏冬一時金について減額し、2、3年の定期昇給の4分の1を減じ、バッチの取り外しを求めたことは労使間の対立等からみて、組合を嫌悪した支配介入であるとされた例。
5200 除斥期間
会社は、本件申立てが訓告処分から1年を経過しているというが、組合が求める救済は、訓告処分による年末手当減額という不利益取り扱いの是正であり、これは申立以前1年以内に発生したものであるから、審査の対象となる。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集97集92頁 |
評釈等情報 |
 
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