概要情報
事件名 |
羽曳野市 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 2年(不)第17号
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申立人 |
羽曳野市水道労働組合 |
被申立人 |
羽曳野市 |
被申立人 |
羽曳野市長 Y1 |
命令年月日 |
平成 4年 5月19日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
市及び市長が、慣行として行われていた人事異動に関する事前協議を行うことなく、組合の副執行委員長X1を水道局から市長部局へ出向させたことが争われた事件で、X1に対する出向は不利益取扱いに当たらないが、事前協議を行わなかったことが組合への支配介入に当たるとして文書手交を命じた。なお、市長に対する申立ては、市長は法律上の当事者ではないとして却下した。 |
命令主文 |
主 文 1.被申立人羽曳野市は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 羽曳野市水道労働組合 執行委員長 X2 殿 羽曳野市水道事業管理者 職務代理者水道局長 Y2 当職が、貴組合副執行委員長X1氏を水道局から市長部局へ出向させるに当たり、貴組合との間で従前の慣行どおりの事前協議を行わなかったことは、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 2.被申立人羽曳野市Y1に対する申立ては却下する。 |
判定の要旨 |
1301 出向
市職労副委員長X1に水道局から市長部局へ出向を命じたことは、市長の意向が反映されたものであったとしても、そのことだけをもって直ちに市長自身に不当労働行為があったとまではいえないとされた例。
3103 労働協約締結をめぐる行為
市職労副委員長X1に水道局から市長部局へ出向を命じたことが、同人の個人的不利益は認められないが、現職の組合役員の異動につき慣行どおりの事前協議を行わなかったことから、支配介入に当たるとされた例。
4614 文書手交のみを命じた例
市職労副委員長X1は、本件出向後も水道労組の副委員長の職についており、実質的な組合活動上の支障は認められないこと等から、本件出向を取り消す必要は認められないとして、誓約文の手交を命じた例。
4918 自治体
地方公共団体である市は、水道事業部門を含め法律上の権利義務の帰属主体であって、本件申立ての被申立人たる地位にあるとされた例。
4918 自治体
管理職は、水道事業職員の任命権者であるとともに、水道事業業務の執行に関し市を代表するものであるから、本件の場合、同人の被申立人適格までも認める必要はなく、市の代表者として表示すれば足りるとされた例。
4918 自治体
市長は、本件出向に関し、法律上直接の当事者ではなく、また、同人に不当労働行為があったとまではいえないとして、同人に対する申立てを却下した例。
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業種・規模 |
地方公務(市町村機関) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集94集429頁 |
評釈等情報 |
 
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