概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(池袋車掌区配属等) |
事件番号 |
東京地労委 昭和62年(不)第70号
東京地労委 昭和62年(不)第71号
|
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部新橋支部 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部新橋支部池袋車掌区分会 ほか1分会 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 3年11月26日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、車掌である組合員X1ら10名を、車掌業務から外して売店での販売業務等に従事させたことが争われた事件で、X1ら10名の配転命令のなかったものとしての取扱い、原職相当職への復帰及び文書掲示並びに履行報告を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人東日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合東京地方本部新橋支部池袋車掌 区分会および同浦和車掌区分会に所属または所属していた別表「本件発令等一覧表」記載の 各組合員に対し、設立委員のなした同表記載の昭和62年4月1日付配属通知による兼務発令 および被申立人会社のなした同表記載の同年 4月 2日以降の兼務発令・配転発令がいずれも なかったものとして取扱い、同表「原職に相当する所属・職名」欄記載の所属・職名に復帰 させなければならない。 2.被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、55cm×80cm(新聞紙2頁大)の白 紙に、下記文書を楷書で明瞭に墨書して、被申立人会社の本社正面玄関および池袋車掌区、 浦和車掌区の従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。 記 年 月 日 国鉄労働組合東京地方本部 地方執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合東京地方本部新橋支部 支部執行委員長 X3 殿 国鉄労働組合東京地方本部新橋支部池袋車掌 区分会 執行委員長 X4 殿 国鉄労働組合東京地方本部新橋支部浦和車掌 区分会 執行委員長 X5 殿 東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社が、昭和62年4月1日付ないしそれ以降63年10月19日までの間、貴組合所属の組合員 に対して行った都労委昭和62年不第70号および同第71号事件に係る発令(兼務発令・配転発 令)は、いずれも不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今 後このような行為を繰り返さないよう留意します。 3.被申立人会社は、前各項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければ ならない。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
分会所属の組合員に対し設立委員がなした昭和62年4月1日付配属通知による兼務発令が不当労働行為であるとされた例。
1300 転勤・配転
分会所属の組合員に対し会社がなした昭和62年4月2日以降の兼務発令・配転発令が不当労働行為であるとされた例。
3410 職制上の地位にある者の言動
4911 解散事業における使用者
国鉄が行った昭和62年3月10日付人事異動は設立委員に代わって準備したもので、これが不当労働行為であるとすれば、設立委員が行った本件4月1日付兼務発令もまた不当労働行為であり、国鉄改革法23条5項の考え方からして、会社はその責を免れないとされた例。
3900 「不利益の範囲」
車掌である救済対象組合員を単純素朴な業務に従事させることは、それまで培ってきた技能・経験を生かせないという意味で不利益であり、手当等賃金面でも不利益を受けているとされた例。
4820 単一組織の支部・分会等
申立て4組合は、それぞれ独自の規約・会計及び執行機関を有しており、各組織単位に応じて独立した固有の組合活動をしていることから、申立人適格を有するとされた例。
|
業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集385頁 |
評釈等情報 |
 
|