概要情報
| 事件名 |
明治書院 |
| 事件番号 |
東京地労委 昭和61年（不）第69号
東京地労委 昭和63年（不）第16号
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| 申立人 |
明治書院労働組合 |
| 被申立人 |
株式会社 明治書院 |
| 命令年月日 |
平成 3年10月15日 |
| 命令区分 |
全部救済（命令主文に棄却又は却下部分を含まない） |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
会社が、(1)昭和61年の賃上げ・一時金が未妥結であるのに、会社が考える管理・監督者等を一方的に非組合員であるとして、これらの者に賃上げ及び夏季一時金の支給を行ったこと、(2)組合の組合員の範囲の線引き問題への交渉応諾が定年延長問題の団交に応じる前提条件であるとして、これに固執し団交を拒否したこと、(3)定年に達した組合員Ｘ1の再雇用を拒否したことが争われた事件で、(1)については、会社が態度を改めたため、文書掲示のみを、(2)については、組合員範囲の線引き問題の交渉応諾を前提条件とする団交拒否の禁止及び文書掲示を、(3)については、Ｘ1の再雇用、定年到達時における原職相当職への復帰、バック・ペイ及び文書掲示を命じ、併せて上記事項（(2)の団交拒否の禁止を除く。）についての履行報告を命じた。 |
| 命令主文 |
1．被申立人株式会社明治書院は、申立人明治書院労働組合に対して、組合員範囲の「線引き 問題」の交渉に応ずることを「定年延長問題」についての団体交渉に応ずる前提条件である と固執することによって、「定年延長問題」についての団体交渉を拒否してはならない。
2．被申立人会社は、申立人組合所属組合員Ｘ1に対し、次のような措置を講じなければなら ない。
(1)昭和63年2月20日に遡って嘱託として再雇用し、同人の定年到達時における原職相当職 に就かせること。
(2)昭和63年2月20日から上記原職相当職に復帰するまでの間、同人が嘱託として受けるは ずであった賃金相当額とこれに対する各支払日の翌日から支払い済みまで、年5分の割 合による金員を支払うこと。
3．被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、55cm×80cm（新聞紙2頁大）の大 きさの白紙に、下記内容を楷書で明瞭に墨書し、被申立人会社の本社の見易い場所に10日間 掲示しなければならない。
記
平成 年 月 日
明治書院労働組合
執行委員長 Ｘ2 殿
株式会社 明 治 書 院
代表取締役 Ｙ1
当社が、(1)昭和61年の賃上げ・一時金の団体交渉にあたり、貴組合との間で合意に達して いないのに、貴組合所属の一部組合員に対し賃上げ・夏季一時金の頭越し支給を行ったこ と、(2)貴組合に対して、組合員範囲の「線引き問題」が「定年延長問題」についての団体交 渉に応ずる前提条件であると固執することによって「定年延長問題」についての団体交渉を 拒否したこと、(3)貴組合所属組合員Ｘ1氏の再雇用を拒否したことは、いずれも不当労働行 為であると東京都地方労働委員会において認定されました。
今後このような行為を繰り返さないよう留意します。
4．被申立人会社は、前記第2項および第3項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書 で報告しなければならない。 |
| 判定の要旨 |
1500 不採用
組合員Ｘ1の定年到達後の再雇用を拒否したことが不当労働行為であるとされた例。
2244 特定条件の固執
定年延長問題は組合員の範囲の線引き問題とは切離し可能な団交によって解決するにふさわしい事項であるから、組合員の範囲の線引き問題への交渉応諾を定年延長問題の団交に応じる前提条件として会社が固執し続けることは、団交拒否に当たるとされた例。
2901 組合無視
昭和61年の賃上げ及び一時金の交渉が未妥結であるのに、会社が考える管理・監督者等を一方的に非組合員であるとして、これらの者に賃上げ分及び一時金の支給を行ったことが支配介入に当たるとされた例。
4613 Ｐ．Ｎのみを命じ、他の救済の必要性を認めなかった例
昭和61年の賃上げ及び一時金の頭越し支給についての救済として、会社はその後このような態度をとらず、組合員全員に支給するようになったので、文書掲示命令にとどめるとされた例。
4820 単一組織の支部・分会等
組合の構成員として使用者の利益代表者が参加していると会社が主張する者は、総じて職制規定上の建前と運用の実態との間に乖離が認められ、労組法2条但書に該当するとは認められないこと等から、組合は本件申立人適格を有しているとされた例。
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| 業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
| 掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集220頁 |
| 評釈等情報 |
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