概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(島根夏季手当) |
事件番号 |
島根地労委 昭和63年(不)第2号
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申立人 |
国鉄労働組合米子地方本部 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社米子支社 |
命令年月日 |
平成 3年 8月27日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、昭和62年夏季手当の支給に当たって、組合員41名に対し、勤務成績不良を理由として、5%の減額支給を行ったことが争われた事件で、減額分(年5分加算)の支払い及び文書交付並びにこれら事項についての履行報告を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合米子地方本部に所属する別紙1 記載の組合員に対し、昭和62年度夏季手当から減額した別紙1記載の金額にそれぞれ年率5 分を加算した金額を支払わなければならない。 2.被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、本命令書受領の日の翌日から1週間以内に、下記内 容の文書を申立人国鉄労働組合米子地方本部に交付しなければならない。 記 年 月 日 国鉄労働組合米子地方本部 執行委員長 X1 殿 西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合の組合員に対して、昭和62年度夏季手当を減額支給したことは不当労働行 為であると島根県地方労働委員会において認定されました。 今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 3.被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、前各項を履行したときは、速やかに当委員会に文書 で報告しなければならない。 4.申立人のその余の請求を棄却する。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
1202 考課査定による差別
勤務成績不良を理由に組合員の昭和62年夏季手当を減額支給したことが不当労働行為であるとされた例。
4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
組合が、本件夏季手当の減額措置について、当該減額分に年率6分加算した金額の支払いを求めたのに対し、年率5分加算した金額の支払いを命じた例。
4905 経営補助者
本件申立人は、米子支社長に対しても救済命令を求めるが、会社だけに救済命令を発すれば足りるとされた例。
5001 将来における予防、不特定な内容の請求
5121 挙証・採証
労委は必ずしも申立人の申し立てた「請求する救済命令の内容」に拘束されないから、これに不特定、不明な部分があっても申立てを却下することにならず、また、申立人の主張する事実は労組法7条各号に規定する不当労働行為に該当することが判別できればよいとされた例。
4911 解散事業における使用者
会社は国鉄の事業を承継し、国鉄の権利・義務を引き継いでいること、国鉄の労使関係も事実上引き継いでいること等から、本件申立ての判断に当たっては、国鉄時代の労使関係も考慮の対象となるとされた例。
5200 除斥期間
申立期間の計算は民法の期間の規定が適用されるが、同法141条によれば本件夏季手当支給1年後は日曜日であるから、同法142条により翌日が満了日となり、本件申立ては適法であるとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集153頁 |
評釈等情報 |
 
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