概要情報
事件名 |
旭コンクリート |
事件番号 |
新潟地労委 平成 2年(不)第5号
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申立人 |
総評・全日本建設運輸連帯労働組合小千谷支部 |
被申立人 |
旭コンクリート 株式会社 |
命令年月日 |
平成 3年 7月17日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合と十分な協議を経ずに組合の分会員10名に対して休職を命じたこと及び交渉当事者でなかった分会に直接団交の申入れをしたことが争われた事件で、上記分会員10名に対する休職命令がなかったものとしての取扱い、バック・ペイ(年5分加算)及び支配介入の禁止を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人は、申立人総評・全日本建設運輸連帯労働組合小千谷支部旭コンクリート分会所 属の分会員X1ら10人に対する平成2年2月5日付内容証明郵便による「休職」命令がなか ったものとして取り扱い、X2、X3に対しては、平成2年2月10日から同月23日までの 間、X1、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10に対しては、同年2月10日から同年 3月31日までの間同人らがいずれも就労していたら支払われるはずであった賃金相当額から 既に休業補償と称して支給した金額を控除し、その差額に年5分の割合を乗じて得た額を加 算して速やかに支払わなければならない。 2.被申立人は、申立人と十分な協議を経ずに、申立人分会員らに対して、「休職」、「一時 帰休」、その他就労拒否を内容とする命令をしたり、交渉当事者でない分会に直接団体交渉 の申入れをしたりして、申立人組合の弱体化を図るような支配介入をしてはならない。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
2900 非組合員の優遇
運転手の増員、車両の増車に見合う仕事量が見込めないことから分会員10名に対して休職(一時帰休)を命じたことが不当労働行為であるとされた例。
2901 組合無視
3103 労働協約締結をめぐる行為
会社が、組合員に影響を与える問題については事前に組合と協議し労使合意の上円滑に行う旨の約款を無視し、交渉からの組合の排除を行ったことが不当労働行為であるとされた例。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
本件休職を命じられた3名は、審問終結当時組合に所属していないが、同人らに対する賃金と休業手当との差額は未払いのままであって、同人らがその不利益の回復を図る意思のないことを表明したことが窺われない以上、救済の対象とするとした例。
4407 バックペイの支払い方法
本件休職命令対象者10名が就労していたら支給を受けるはずであった賃金の算定については、賃金形態が日給月給制であるため、本件休職命令前3ヵ月間の平均賃金によることが相当であるとされた例。
4406 バックペイに利子・付加金を付したもの
賃金差額相当額の年5分の加算については、本件申立時から支給済までの間とするとされた例。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集93集52頁 |
評釈等情報 |
 
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