概要情報
事件名 |
東宝舞台 |
事件番号 |
東京地労委 昭和63年(不)第31号
東京地労委 平成 1年(不)第73号
|
申立人 |
東宝舞台労働組合 |
被申立人 |
東宝舞台 株式会社 |
命令年月日 |
平成 3年 5月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、(1)ストを理由とする組合員157名に対する冬期賞与からの欠勤減額、(2)代表取締役による組合執行部を誹謗する言動、(3)取締役によるスト権投票に関する組合への警告、(4)通常の組合活動を理由とする組合員11名に対する冬期賞与からの欠勤減額をそれぞれ行ったことが争われた事件で、(1)及び(4)について欠勤減額相当分の支払い、文書掲示及び履行報告を、(2)について支配介入の禁止、文書掲示及び履行報告を命じ、(3)については申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人東宝舞台株式会社は、[別表1]記載の申立人東宝舞台労働組合所属組合員に対 し、同表金額欄記載の昭和62年冬期賞与からの欠勤減額相当分をそれぞれ支払わなければな らない。 2 被申立人会社の代表取締役ら会社役員は、被申立人会社の従業員に配付する文書等を利用 して、会社と申立人組合との間の交渉事項につき申立人組合執行部の採った解決内容を非難 することにより、申立人組合の役員選挙に影響を与えようとしたり、申立人組合執行部と組 合員との離反を図るなどして申立人組合の運営に支配介入してはならない。 3 被申立人会社は、[別表2]記載の申立人組合所属組合員に対し、同表金額欄記載の昭和6 3年冬期賞与からの欠勤減額相当分をそれぞれ支払わなければならない。 4 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、55cm×80cm(新聞紙2頁大)の大 きさの白紙に、下記内容を楷書で明瞭に墨書し、被申立人会社の本社、川口製作所、緑山製 作所、生田製作所の各正面入口で従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。 記 平成 年 月 日 東宝舞台労働組合 執行委員長 X1 殿 東宝舞台株式会社 代表取締役 Y1 (1)当社が、貴組合の昭和62年春闘における48時間ストを理由に貴組合所属組合員の同年冬 期賞与から欠勤減額したこと、(2)当社の代表取締役が、会社創立記念日の昭和62年8月1 日付「従業員及び家族の皆様へ」と題する文書および同63年1月5日付年頭挨拶で、それ ぞれ62年春闘における期末手当等に関する貴組合執行部による解決内容を非難することに より、貴組合の役員選挙に影響を与えようとしたり、貴組合執行部と貴組合員との離反を 図る言動を行い、貴組合の運営に支配介入したこと、(3)当社が、貴組合の通常の組合活動 による欠勤を理由に貴組合所属組合員の昭和63年冬期賞与から減額したことは、いずれも 不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後このような行 為を繰り返さないよう留意します。 5 被申立人会社は、前記第1項、第3項および第4項を履行したときは、速やかに当委員会 に文書で報告しなければならない。 6 その余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
社長が組合の役員選挙を前に、文書をもって、組合執行部の期末手当についての取組み姿勢を誹謗したことが支配介入にあたるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
冬期賞与からの減額措置に抗議するためスト権投票を行う旨発表したところ、会社部長が申入書によりチェック・オフの中止を無期限延長する等組合に警告したことが支配介入にあたるとまでは認められないとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が申立人組合が行った48時間ストを理由に組合員の冬期賞与から欠勤減額したことが、従来の取扱いに反し、一方的に62年に行ったもので支配介入にあたるとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
63年冬期賞与の支給にあたり、通常の組合活動による欠勤について一方的に減額を行ったことが支配介入にあたるとされた例。
|
業種・規模 |
娯楽業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集92集460頁 |
評釈等情報 |
 
|