労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  西日本旅客鉄道(岡山配属) 
事件番号  岡山地労委 昭和62年(不)第2号 
申立人  国鉄労働組合岡山地方本部 
被申立人  西日本旅客鉄道 株式会社 
命令年月日  平成 3年 3月15日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  会社が、組合員46名に対して本来業務から外す配属発令及び勤務指定を行ったことが争われた事件で、(1)組合員32名に対する配属発令の取消し及び原職復帰、(2)組合員2名に対する勤務指定の取消し及び本来業務への指定、(3)勤務箇所・職名の配置及び勤務指定に当たっての組合間差別による組合支配介入の禁止、(4)文書手交を命じた。 
命令主文  1 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、別表1記載の申立人国鉄労働組合岡山地方本部組合 員(ただし、別表1番号欄の13,15,18,23,25,27,29,30,31,35,39,40,41,45の 14人を除く。)32人に対して、西日本旅客鉄道株式会社設立委員が、同委員会委員長名で行 った同表(ウ) 欄「昭和62年4月1日における勤務箇所・職名」記載の発令を取り消し、同表 (エ) 欄「復帰を求める勤務箇所・職名」記載の所属・職名又はそれに相当する所属・職名に 復帰させなければならない。
  被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、別表1記載の申立人国鉄労働組合岡山地方本部組合 員のうち、同表番号欄の15,18,の2人について、別表2(ク) (3)欄「主な担当業務」記載 の勤務の指定を取り消し、いわゆる本来業務に指定しなければならない。
2 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合岡山地方本部組合員の勤務箇  所・職名の配置及び勤務の指定を行うに当たって、他組合所属の社員と差別することにより 、申立人組合の運営に支配介入してはならない。
3 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合岡山地方本部に対し、本命令後 速やかに次の文書を手交しなければならない。
                     記
                              平成  年  月  日
   国鉄労働組合岡山地方本部
    執行委員長 X1 殿
                         西日本旅客鉄道株式会社
                          代表取締役社長 Y1
  当社設立委員が、貴組合員X2外45人に対して昭和62年4月1日付で行った配属の発令  は、岡山県地方労働委員会によって労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働 行為であると認定されました。よって、今後かかる行為を繰り返さないようにいたします。 
判定の要旨  1300 転勤・配転
本件被申立人会社の設立委員が、国労組合員46人に対して62.4.1付で行った配属命令及び勤務指定が不当労働行為であるとされた例。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
本件請求にかかる申立人組合組合員46人のうち、12人は、「本務外し」の点からみれば、現在不利益性は治癒しており、本件配属によって受けた不利益は実質回復したものと判断された例。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
本件請求にかかる申立人組合組合員8名の現在の就労職場は暫定的な運用におかれ、今後の実績を待って固定化の可否が決まるという不安定な部署であることから、不利益が回復したとはいい難いとされた例。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
本件請求にかかる申立人組合組合員4人は子会社に出向している者であるが、出向期間満了後本来業務に復帰できるとの保障が与えられていないこと等から不利益はいまだ回復していないとされた例。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
本件請求にかかる申立人組合組合員4人が就労している業務は、余剰人員対策としての色彩を残しており、なお、「本務外し」の不利益は回復されていないとされた例。

4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
本件請求にかかる申立人組合組合員12人については本件配属等によって受けた不利益は既に回復したものと認められることから、文書の手交をもって足りるとされた例。

4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
本件請求にかかる申立人組合組合員32人に対する救済として、各配属等の発令を取り消し、組合が復帰を求める勤務箇所・職名に復帰を命じた例。

4411 配転・転勤・出勤停止・下車勤等の場合
本件請求にかかる申立人組合組合員2人に対する救済として、いわゆる本来業務に属する業務に復帰を命じた例。

4838 申立ての承継
たとえ不当労働行為が直接的に個々の組合員に不利益をもたらす場合においても、その労働組合の名においても組合員個々の権利の救済を請求することができるとされた例。

4911 解散事業における使用者
国鉄が設立委員の代行者として行った配属行為に伴う責任の終局的な帰属主体である新会社をもって、適格性を有する被申立人とすることが最も適切かつ有意義であるとされた例。

4911 解散事業における使用者
新会社が、国鉄の事業等を分割、民営化して設立されたものであり、国鉄との間には実質的同一性があると認めた例。

5145 救済内容が実現不可能
本件申立ての時において、申立人組合の主たる事務所は、岡山市内にあることは明らかであり、当地労委が本件の管轄を有するとされた例。

5145 救済内容が実現不可能
本件配属問題に関連して、国鉄当時の職場や職名への復帰は実現不可能なことであるとの会社の主張が斥けられた例。

業種・規模  鉄道業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集92集180頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約423KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。