概要情報
事件名 |
函館信用金庫 |
事件番号 |
北海道地労委 平成 2年(不)第5号
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申立人 |
函館信用金庫従業員組合 |
被申立人 |
函館信用金庫 |
命令年月日 |
平成 3年 2月18日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
金庫が、(1)組合の意思決定に介入する内容を記載した文書を全従業員に配付したこと、(2)組合員に対して、午後5時からの時間外手当の請求をしないことを求めたり、組合からの脱退を勧誘したことが争われた事件で、(1)(2)について組合への支配介入の禁止及び文書掲示を命じ、陳謝文の庫内報への掲示については申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合の意思決定に介入するなどの内容を記載した文書を全従業員に配付したり、申立人の組合員に対し、ことさら、午後5時からの時間外手当の請求をしないよう求めたり、申立人組合からの脱退を勧誘するなどして、申立人組合の運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、次の内容の陳謝文を縦1m×横1.5mの白色木板に楷書で墨書し、被申立人の 本店及び支店の正面玄関の見やすい場所に、命令交付の日から7日以内に10日間継続して掲 示しなければならない。 記 陳 謝 文 当金庫が、平成元年8月25日付理事長室通信第68号において、組合の意思決定に介入する などの内容を記載し、これを全従業員に配付したり、組合員に対し、ことさら、午後5時か らの時間外手当の請求をしないよう求めたり、組合からの脱退を勧誘するなどしたことは、 労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると北海道地方労働委員会で認定され ました。 ここに、深く陳謝するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。 平成 年 月 日 函館信用金庫従業員組合 執行委員長 X1 様 函館信用金庫 理事長 Y1 3 申立人のその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
2620 反組合的言動
金庫が社内通信において、本来申立人と協議すべき事項を記載し、配布したことが組合の意思決定に介入する支配介入にあたるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2名の支店長が、当時多数の組合員が脱退していたことをあえて取り上げて発言したことが、暗に組合からの脱退を勧誘した支配介入にあたるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
2名の支店長が、組合員X2に対して、組合が決定した17時からの時間外手当の請求を非難する趣旨の発言をしたことが支配介入にあたるとされた例。
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業種・規模 |
金融業、保険業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集92集121頁 |
評釈等情報 |
 
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