労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大日本商事・大日本印刷 
事件番号  東京地労委 昭和59年(不)第25号 
東京地労委 昭和59年(不)第52号 
東京地労委 昭和60年(不)第70号 
東京地労委 昭和60年(不)第89号 
東京地労委 昭和63年(不)第63号 
申立人  X1 
申立人  全国一般東京一般労働組合 
被申立人  大日本印刷 株式会社 
被申立人  大日本商事 株式会社 
命令年月日  平成 3年 1月22日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社及び親会社が、(1)別組合役員による申立人組合所属分会の排斥活動援助、(2)分会組合員を別組合員より不利益の取扱う共済制度の設立及び「文体・レク活動」の実施、(3)申立人X1に対する組合加入を理由とする採用の取消し、(4)昇給・賞与に関する分会の考課制度等開示要求を拒否する不誠実団交をそれぞれ行ったことが争われた事件で、(1)について別組合役員による申立人組合所属分会の排斥活動を援助する等による支配介入の禁止、文書交付及び履行報告、(3)についてX1に対する採用取消しがなかったと同様の状態への回復、文書交付及び履行報告を命じ、(2)、(4)及び親会社に関しての申立てについては棄却した。 
命令主文  1 被申立人大日本商事株式会社は、申立人全国一般東京一般労働組合所属の大日本商事分会 と対抗関係にある申立外大日本商事労働組合の役員が就業時間中に行う同分会の排斥および 自組合の組織拡大活動を許容するなどしてこれを援助することにより、申立人組合の組織運 営に支配介入してはならない。
2 被申立人大日本商事株式会社は、申立人組合所属の組合員X1に対し、次の措置を含め昭 和60年10月6日付の採用取消しがなかったと同様の状態に回復させなければならない。
  (1)昭和60年10月7日付で本採用とし、試採用当時の原職もしくは原職相当職に復帰させる   こと。
  (2)採用取消の翌日から原職もしくは原職相当職に復帰するまでの間に同人が受けるはずで   あった賃金相当額を支払うこと。
3 被申立人大日本商事株式会社は、申立人全国一般東京一般労働組合に対し下記内容の文書 を交付しなければならない。
                     記
                                 年  月  日
   全国一般東京一般労働組合
    執行委員長 X2 殿
                         大日本商事株式会社
                          代表取締役 Y1
  当社の行った下記の行為は、いずれも不当労働行為であると東京都地方労働委員会におい て認定されました。今後このような行為を繰り返さないよう留意します。
                     記
  (1)昭和59年5月7日、当社の課長が当時の大日本商事労働組合の副執行委員長(当社の係   長)からの依頼を受け、同副執行委員長らによる貴組合大日本商事分会の排斥および自   組合の組織拡大活動のための会合に、当社の従業員を差し向け同組合の同活動を援助し   たこと。
   同年5月4日と同年7月4日、当時の大日本商事労働組合の執行委員長(当社の係長)   が就業時間中に行った貴組合大日本商事分会の排斥および大日本商事労働組合の組織拡   大活動を許容して、同組合の同活動を援助したこと。
  (2)昭和60年10月6日付で貴組合所属の組合員X1氏の採用を取消したこと。
4 被申立人大日本商事株式会社は、前記第2項および第3項を履行したときは、すみやかに 当委員会に文書で報告しなければならない。
5 その余の申立てを棄却する。 
判定の要旨  1500 不採用
会社が試採用の組合員X1の本採用を取り消したことが不利益取扱いにあたるとされた例。

2240 説明・説得の程度
昇給、賞与の団交における考課制度の内容と関係資料の開示を求める組合の要求に対し、これらを不当に拒んでいるとまではいえず、団交拒否にはあたらないとされた例。

2800 各種便宜供与の廃止・拒否
申立人組合の分会と対抗関係にある別組合の副委員長が就業時間中に行う分会の排斥および別組合の組織拡大活動を許容するなどして援助したことが支配介入にあたるとされた例。

2901 組合無視
共済会の設立をめぐる会社の組合に対する対応には、適切さを欠く点があるが、会社が共済会の設立及び運営についてことさら分会員をその組合所属の故をもって不利益に取り扱ったり、それによって分会の組織運営に支配介入したものとはいえないとされた例。

2901 組合無視
会社が分会員を積極的に参加させる措置をとらないまま、別組合とボーリング大会を共催したからといって、分会員を差別したものとはいえないとされた例。

4915 親会社
大日本印刷は大日本商事における労働関係について現実的具体的な影響力を及ぼしていたとは認められず、分会員の労働関係に関し、使用者としての地位にあるとは認められないとされた例。

業種・規模  出版・印刷・同関連産業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集92集56頁 
評釈等情報   

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