概要情報
事件名 |
東北造船 |
事件番号 |
宮城地労委 昭和62年(不)第10号
|
申立人 |
全日本造船機械労働組合日本鋼管支部東北造船分会 |
申立人 |
全日本造船機械労働組合日本鋼管支部 |
被申立人 |
東北造船 株式会社 |
命令年月日 |
平成 2年10月20日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、(1)雇用問題についての団交を打ち切ったこと、(2)組合員の解雇問題について団交を拒否したことが争われた事件で、(1)については、会社の打切り通告はなし得る交渉の努力を尽くした後のもので正当な理由があるとして、(2)については、交渉の拒否に到った経過等からすれば拒否には正当な理由があるとして、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2250 未妥結・打切り・決裂
会社解散の撤回と解散実施の場合の全員の雇用を交渉事項とする団交の打切り通告は、会社としてはなし得る交渉の努力を尽くした後のもので、正当な理由があるとされた例。
2249 その他使用者の態度
解雇問題の団交拒否については、拒否に到った経過等からすれば双方の主張が平行線に終始したであろうことは明らかであり、その認識のもとに会社が団交に応じなかったことには正当な理由があるとされた例。
2246 併存団体との関係
分会と別組合とは会社解散問題について全く立場が異なっていたのであるから、会社が別組合とは団交を継続し、分会とは団交を打ち切ったとしてもそれをもって差別、不誠実であるとはいえないとされた例。
2246 併存団体との関係
社長出席問題、交渉時間、団交時間等について、分会と別組合と異なる取扱いがなされたとしても、これを承知の上で合意が正当になされており、本件に至って不誠実であると主張することは許されないとされた例。
2248 実質的権限のない交渉担当者
室長は、会社の基本方針に反し会社解散の撤回や全員の雇用確保を決定できる立場になかったが、団交事項のすべてについて決定権がなかったとはいえず、同人を交渉員としたことが不誠実であるとはいえないとされた例。
2246 併存団体との関係
分会の掲げる新組合との団交の経過、交渉員及び時間帯における事実の相違をもって会社が分会らとの交渉において不誠実、あるいは差別意思を有しているとはいえないとされた例。
4820 単一組織の支部・分会等
分会は2名の構成員であるが、労組法2条に規定する団体であることには変りなく、同分会は申立人適格を有するとされた例。
2250 未妥結・打切り・決裂
5144 不当労働行為でないことが明白
交渉を重ねた結果、妥結の見通しが立たなかったことにより交渉を打ち切ったことは、「不当労働行為に該当しないことが明らかなとき」には該当しないとされた例。
4911 解散事業における使用者
5145 救済内容が実現不可能
清算人の清算事務の中には従業員対策も含まれているので、従業員の解雇撤回、雇用のあっせんはその権限内のことであり、清算人はその交渉義務を負うから、本件申立ては「法令上又は事実上実現することが不可能」であるとはいえないとされた例。
|
業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集91集600頁 |
評釈等情報 |
 
|
|