概要情報
事件名 |
福智無線 |
事件番号 |
大阪地労委 平成 1年(不)第19号
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申立人 |
福智無線 株式会社労働組合 |
被申立人 |
福智無線 株式会社 |
命令年月日 |
平成 2年 7月18日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)従業員の労働条件、組合活動の保障等についての組合からの団体交渉申入れを拒否したこと、(2)従業員の組合加入妨害、組合員に対する組合からの脱退勧奨を行ったことが争われた事件で、(1)について団体交渉の誠実応諾、(1)(2)について文書手交を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人から平成元年4月4日付及び同年6月13日付けで提出された要求書についての団体交渉に誠意をもって速やかに応じなければならない。 2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 福智無線株式会社労働組合 執行委員長 X1 殿 福智無線株式会社 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において労働組合法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1) 貴組合から申入れのあった平成元年4月4日付け及び同年6月13日付け要求書についての団体交渉に誠意をもって応じなかったこと (2) 代表取締役岩倉克治が平成元年3月26日従業員に対し「組合に入るな」と発言し、また同月30日には貴組合書記長X2氏に対し脱退を勧めたこと並びに常務取締役Y2が同年5月6日貴組合執行委員長X1氏に対し「できれば組合はやめてくれた方がよい」などと発言し、貴組合の運営について介入したこと。 |
判定の要旨 |
2245 引き延ばし
組合の要求する日時に業務上繁忙等を理由に団交に応じないことが、それらの経過等からみて不当労働行為であるとされた例。
2304 経営事項
会社経営に関することであっても、組合員の身分、労働条件に関するものであれば団交事項となり得るもので、交渉事項の大部分は経営の根本にかかわる事項として交渉に応じないことに合理性が認められないとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2625 非組合員化の言動
社長があるいは常務らの組合加入妨害、組合脱退勧誘等の発言が支配介入にあたるとされた例
4825 その他
組合の結成に専務が関与していたか否かにかかわらず、組合は会社の利益を代表する者の参加を許すものでないから、本件申立人適格を有するとされた例。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集90集457頁 |
評釈等情報 |
 
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