労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  テレビ西日本 
事件番号  福岡地労委 昭和59年(不)第10号 
申立人  民放労連九州地方連合会 
申立人  日本民間放送労働組合連合会 外43名 
申立人  民放労連テレビ西日本労働組合 
被申立人  株式会社 テレビ西日本 
命令年月日  平成 2年 5月10日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社が、組合員43名に対して、組合員であるが故に昇進差別を行ったこと及び組合脱退を勧奨したことが争われた事件で、(1)組合員X1ら6名に対する昇進の実施及びバックペイ(年5分加算)(2)組合員X7ら23名に対する昇進の是正につき組合との協議決定(協議不調の場合には当該地労委の裁定に従うこと。)及びバックペイ、(3)昇進差別及び組合脱退勧奨に関しての文書掲示を命じ、組合員X8ら14名については申立てを棄却した。 
命令主文  主  文
1 被申立人は、申立人X1、X2、X3、X4、X5及びX6の6名に対し、下表記載のとおり昇進させ、昇進に伴い支払うべき賃金相当額と支払済額との差額及びこれに年5分の割合による金員を付加して支払わなければならない。
  (下表略)
 
2 被申立人は、申立人X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28及びX29の23名の昇進の是正措置について申立人組合と協議決定しなければならない。
3 被申立人は、本命令交付後3か月内において第2項の協議が整わないときは福岡県地方労働委員会に判断を求め、その裁定に従わなければならない。
4 被申立人は、第2、第3項により定まった差額を支払わなければならない。
5 被申立人は、本命令交付後1週間内に下記文書を縦1メートル、横2メートル以上の白紙に明瞭に楷書で記載し、被申立人会社の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
            記
民放労連テレビ西日本労働組合
 執行委員長   X26 殿
民放労連九州地方連合会
 執行委員長   X30 殿
日本民間放送労働組合連合会
 中央執行委員長 X31 殿
 貴組合の組合員で福岡労委昭和59年(不)第10号事件の申立人であるX1氏ほか28名の各氏に対する会社の処遇には、同氏等が組合員であるが故の昇進差別があったこと、また、組合員の管理職昇進に関連して組合脱退を働きかけた行為は、組合に対する支配介入に当るとの福岡県地方労働委員会の判定を受けました。
 会社は、今後このようなことをしないように致します。
                    平成 年 月 日
              株式会社 テレビ西日本
               代表取締役社長 Y1
6 その余の申立人らの申立は棄却する。 
判定の要旨  1200 降格・不昇格
2901 組合無視
33年大卒の組合員2名を部長待遇部次長乃至部長担当職に昇進させなかったことが不当労働行為であるとされた例。

1200 降格・不昇格
2901 組合無視
33年高卒の組合員4名を部次長待遇チーフマネージャーに昇進させなかったことが不当労働行為であるとされた例。

1200 降格・不昇格
2901 組合無視
組合員X7ら23名の昇進が全般的に遅れ、その主たる要因が管理職である役員に組合員のまま昇進するのは好ましくないとする会社の態度にあることから同人らに対する会社の昇進上の処遇は不当労働行為であるとされた例。

1200 降格・不昇格
2901 組合無視
技能職ないし技能職から一般職への転種変更者9名については、比較対照すべき非組合員がいない以上、組合員であるがために職位の処遇上差別されているとまではいえないとされた例。

1200 降格・不昇格
女性組合員7名の昇進が男性社員と比べ遅れているのは会社の人事管理上の方針の具体化であって、性による差別待遇との批判は免れないとしても、不当労働行為と論ずることはできないとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
2625 非組合員化の言動
2700 威嚇・暴力行為
会社職制等が、役職昇進と引き換えに組合を脱退するよう勧奨したことが支配介入であるとされた例

4407 バックペイの支払い方法
役職昇進差別の救済として協議を命じた申立人らのうちX23は審査中に死亡したので、承継人にバック・ペイを命じた例。

4417 条件付命令・協議命令
組合員X7ら23名については労使の協議により是正措置を行うこと、この協議が整わない場合は会社に労委の判断を求めさせ、これに労使が従うことを命じた例。

5008 その他
労委が昇進に関する命令をすることは労委の裁量権の限界を逸脱するとの主張を斥けた例。

5201 継続する行為
会社職制等が、役職昇進と引き換えの組合脱退勧奨を行った各行為が継続する行為にあたるとされた例。

5201 継続する行為
本件一連の役職昇進差別は、単一の不当労働行為意思に基づき毎年同様の行為を繰り返し遂次対象範囲が拡大されており、本件申立に係わる行為は継続する行為であるとされた例。

業種・規模  放送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集90集74頁 
評釈等情報   

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