概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(広島運転所配属・出向) |
事件番号 |
広島地労委 昭和63年(不)第2号
広島地労委 平成 1年(不)第4号
|
申立人 |
国鉄労働組合広島地方本部 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 2年 4月11日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、組合員9名に土産物販売等に従事することとなる配属を命じたこと、及び組合員8名に物品販売を行う会社の子会社等に出向を命じたことが争われた事件で、上記組合員9名に対する配属発令及び上記組合員8名に対する出向発令の取消し、原職復帰(定年退職者1名を除く。)及び文書交付を命じ、陳謝文の掲示・手交についての申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合に係る別表に記載のX1外8人に対する配属発令及びX2を除くX1外7人に対する出向発令を取り消し、X1を除く8人を同表の原職欄に記載の所属職場・職種又はこれに相当する職務に復帰させなければならない。 2 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記の文書を申立人に交付しなければならない。 記 平成 2年 月 日 国鉄労働組合広島地方本部 執行委員長 X3 殿 西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合に係るX1、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X2、X10に対して行った配属発令及びX1、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10に対して行った出向発令は、いずれも広島県地方労働委員会において不当労働行為と認定されました。 今後、このような行為は繰り返さないようにするとともに、これを機に正常な労使関係の形成に努めます。 3 申立人のその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
国労組合員9名を土産物の販売等の業務に配属発令したことが不当労働行為であるとされた例。
1301 出向
配属発令を事実上継続した国労組合員8名に対する子会社への出向発令は、本件配属が不当労働行為であると判断される以上、不当労働行為であるとされた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄の昭和62年3月10日付け人事異動は、設立委員に代って行ったものであり、同年4月1日付け配属通知とともに新会社がした行為であるとされた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄分割・民営化により、新会社は国鉄と法人格を異にしたとはいえ、雇用関係については国鉄との間に実質的な継続性を有するとされた例。
3900 「不利益の範囲」
国鉄入社依頼本来業務に従事してきた組合員が、その意に反して土産物の販売等に従事させられたことは大きな精神的苦痛であったとされた例。
3800 行為の結果・その他
組合員が本来業務からはずされ、店舗等の業務に従事させられたことにより組合活動が制約されたと認められた例。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
本件救済対象者X1は、定年退職しているので、原職復帰の救済を行うことができないとされた例。
4614 文書手交のみを命じた例
文書の交付については、専ら組合活動一般に対する侵害の除去ないし予防を目的とするものであるから、組合にその救済を与えることが相当であるとされた例。
|
業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集89集664頁 |
評釈等情報 |
 
|