労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  石川島播磨重工業 
事件番号  東京地労委 昭和51年(不)第101号 
東京地労委 昭和53年(不)第26号 
東京地労委 昭和54年(不)第64号 
東京地労委 昭和55年(不)第50号 
東京地労委 昭和56年(不)第76号 
申立人  X1 ほか22名 
被申立人  石川島播磨重工業 株式会社 
命令年月日  平成 2年 2月20日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  会社が、申立人23名に対して、昭和51年度から同55年度の各年度の職区分・職能等級格付、昇給、一時金に係る人事考課において低い評価を行い、これらの者を格付け・賃金の取扱いにおいて差別したことが争われた事件で、申立人23名に対する当該期間の基準賃金及び臨時手当の是正と既支給額との差額の支払い(年5分加算)、職区分・職能等級及び号の是正、正当な組合活動を理由とする職区分・職能等級格付、定期昇給成績金額及び臨時手当成績係数の決定についての差別禁止、文書掲示及び履行報告を命じた。 
命令主文  1 被申立人石川島播磨重工業株式会社は、申立人X1~23に対して賃金ならびに職区分・職能等級格付・号について、次の措置を講じなければならない。
 (1) 申立人各人の基準賃金を以下のように是正して、これを以下の各年度の4月分賃金から支給することとし、この基準賃金により算出した額とすでに支払われた賃金との差額を支払うこと。
  (下記略)
 (2) 臨時手当(夏季・年末一時金)を以下の方法により算出して、その額とすでに支払われた額との差額を支払うこと。
  (下記略)
 (3) 56年3月末日の時点で職区分・職能等級および号を下表のとおり是正すること。
  (下表略)
2 被申立人は、第1項(1)および(2)の差額に対して、各支給日の翌日から同差額支払済まで、年5分の割合による金員を支払わねばならない。
3 被申立人は、申立人らの正当な労働組合活動を理由に、職区分・職能等級格付ならびに定期昇給成績金額および臨時手当成績系数の決定について申立人らと他の従業員を差別してはならない。
4 被申立人は、本命令書受領の日から1週間以内に、55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の大きさの白紙に下記の内容を楷書で明瞭に墨書して、本社ならびに東京都に所在する各工場、事務所の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
                記
                平成  年  月  日
       殿
             石川島播磨重工業株式会社
              代表取締役 Y1
 当社が貴殿らに対して、職区分および職能等級を低位にとどめておいたことは不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今後このような行為を繰り返さないよう留意します。
(注、あて名は申立人全員を、年月日は掲載の日を記載すること。)
5 被申立人は、第1項、第2項および第4項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければならない。 
判定の要旨  0200 宣伝活動
申立人らが「はぐくみ会系集団」として行った組合役員選挙立候補者への支援活動、個人名や「はぐくみ会」名で組合の運動方針や労働条件のあり方について主張したビラ配布活動は正当な組合活動であるとされた例。

1202 考課査定による差別
昭和51年度から同55年度の期間の職区分・等級昇進の人事考課並びに定昇成績金額及び臨時手当の成績系数の査定において、「はぐくみ会系集団」に所属する申立人らを低評価ないし低査定したことが不利益扱いであるとされた例。

4407 バックペイの支払い方法
4415 賃金是正を命じた例
基準賃金につき、対象期間中の各年度の申立人らの基準賃金額の平均額を同期同学歴者の平均額と同額としたうえ、既支給額との差額の支払いを命じた例。

4415 賃金是正を命じた例
職区分・等級昇進につき、対象期間中の各年度の申立人らの基準賃金額の平均額を同期同学歴者の平均額と同額としたうえで、同期間中の最終年度における申立人らの職区分・等級を同期同学歴者との間に存する一般的な格差分だけ引き上げるよう命じた例。

4415 賃金是正を命じた例
臨時手当につき、各申立人の対象期間中の臨時手当支給額に、同支給平均額と同期同学歴者の平均額と同額としたうえ、既支給額との差額の支払いを命じた例。

5007 謝罪・陳謝・誓約文の手交・掲示
本件申立て時における職区分・等級格付けについて会社の不当労働行為が認められ、同時点において公正な格付けがなされてきたならば到達したであろう職区分・等級昇進との格差が認められる場合には、その時点以降においてその格差の是正を命じることは不当労働行為救済命令制度の趣旨に適った救済方法であるとされた例。

業種・規模  一般機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集89集223頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約1102KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。