概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(上野保線区配属) |
事件番号 |
東京地労委 昭和62年(不)第63号
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申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部上野支部上野保線区分会 他個人32名 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部上野支部 |
申立人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 1年11月21日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合員32名に対し、本務から外す兼務発令及び配属発令を行ったことが争われた事件で、(1)各兼務発令及び配属発令を撤回し、原職相当職へ復帰の上、3カ月以内の再配属、(2)再配属の具体的方法についての誠実団交応諾、(3)文書掲示及び履行報告を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人東日本旅客鉄道株式会社は、申立人国鉄労働組合東京地方本部、同上野支部およ び同上野保線区分会に所属する別表記載の組合員に対し、次の措置を講じなければならな い。 (1)設立委員のなした別表記載の昭和62年4月1日付配属通知による兼務発令および被申立 人会社のなした同じく別表記載の同年4月2日以降における兼務発令・配転発令をそれ ぞれ撤回して、別表「原職に相当する所属・職名」欄記載の所属職名に復帰させたう え、本命令交付後3か月以内に改めて組合所属の如何によらない公正な仕方で配属の発 令を行うこと(但し、再発令が行われるまでの間、別表記載の組合員の担当業務は現状 のままとする。)。 (2)上記の再配属の具体的方法に関し、申立人国鉄労働組合東京地方本部または申立外国鉄 労働組合東日本本部から協議ないし団体交渉の申入れを受けた場合は、誠実にこれに応 じること。 2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、55cm×80cm(新聞紙2頁大)の白 紙に、下記文書を楷書で明瞭に墨書して、被申立人会社の本社正面玄関および上野保線区の 従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。 記 年 月 日 国鉄労働組合東京地方本部 地方執行委員長 X1 殿 国鉄労働組合東京地方本部上野支部 支部執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合東京地方本部上野支部上野保線区分会 分会執行委員長 X3 殿 東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 設立委員および当社が、昭和62年4月1日付ないしそれ以降63年8月1日までの間、貴組 合所属の組合員に対して行った都労委昭和62年不第63号事件に係る発令(兼務発令・配転発 令)は、いずれも不当労働行為であると東京都地方労働委員会において認定されました。今 後このような行為を繰り返さないよう留意します。 3 被申立人会社は、前各項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければ ならない。 |
判定の要旨 |
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
国鉄の昭和62年3月10日付兼務発令、設立委員の同年4月1日付配属通知による兼務発令の対象者の大部分は分会の役職者であることから、本件各発令は支配介入に当たるとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社の昭和62年5月20日付配転・兼務発令をうけた11名中10名が分会の役職者ないし役職歴を有する者であること等から、本件発令は支配介入に当たるとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社の昭和62年6月26日付ないし同63年8月1日付兼務発令及び配転発令の対象者は、分会の役職者ないし役職歴を有する者であること等から、支配介入に当たるとされた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄が、昭和62年3月10日付で行った人事異動は、設立委員に代わって準備したもので、その行為の責任は設立委員自身に帰し、新会社がその責任を負うべきであるとされた例。
4603 その他
本件各発令の救済として、各発令の撤回、エリア分割後の保線区における原職相当職に復帰させたうえ、本命令後3カ月以内に改めて組合所属の如何によらない公正な仕方で配属のやり直しを命じた例。
4602 組合との協議を命じた例
本件各発令の救済として、地本等から再配属の実施に関連する問題について協議ないし交渉の申入れを受けた場合は、誠実応ずるよう命じた例。
4820 単一組織の支部・分会等
本件申立人である支部及び分会は、独自の規約・会計及び執行機関を有しており、各組織単位に応じて独立した固有の組合活動を行っているので、それぞれ申立人適格を有するとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集88集217頁 |
評釈等情報 |
 
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