概要情報
事件名 |
愛媛くみあい飼料 |
事件番号 |
愛媛地労委 昭和60年(不)第5号
愛媛地労委 昭和61年(不)第5号
愛媛地労委 昭和61年(不)第9号
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申立人 |
愛媛くみあい飼料労働組合 |
被申立人 |
愛媛くみあい飼料 株式会社 |
命令年月日 |
平成 1年 9月22日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)非組合員の範囲に関する協定書に籍口して非組合員の管理職を濫造し、組合員の減少を図ったこと、(2)組合員X1、X2を労使協議なく出向させたこと、(3)人事異動、出向等に関する団交を拒否したことが争われた事件で、組合員X1の出向に係る部分及びX1の出向に関する団交拒否に係る部分についての文書掲示を命じ、組合員X2に係る部分は、(2)(3)とも棄却した。 |
命令主文 |
1.被申立人は、本命令交付の日から7日以内に、下記のとおり、縦1m×横2mの白紙に楷 書で明瞭に墨書し、愛媛県今治市天保山町2丁目1番地の1の会社今治工場内及び愛媛県宇 和島市坂下津向山 381番地の会社宇和島工場内の従業員の見やすい場所に7日間掲示しなけ ればならない。 記 年 月 日 愛媛くみあい飼料労働組合 執行委員長 X1 殿 愛媛くみあい飼料株式会社 取締役社長 Y1 当社が、愛媛くみあい飼料労働組合及び同組合員に対して行った下記の行為は、愛媛県地 方労働委員会において、不当労働行為であると認定されましたので、今後はこのような行為 を繰り返さないようにいたします。 記 (1)貴組合との間で昭和45年5月30日に締結した非組合員の範囲に関する協定書に籍口し、 同協定書で非組合員とされている管理職を濫造し、相対的に組合員数の減少を図ったこ と。 (2)愛媛県経済農業協同組合連合会への出向制度を利用して、貴組合員X2の組合活動を実 質的に封じたこと。 (3)貴組合員X2に対する出向に関する団体交渉を拒否したこと。 2 申立人のその余の申立てはこれを棄却する。 |
判定の要旨 |
2301 人事事項
従業員の人事事項は、特定の組合を除き会社の管理権に属し、個人の人事案件が団交の対象には該当しないとして団交を拒否したことが不当労働行為であるとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合の会計監査である組合員X1を、経済連からの要請により、経済連に出向させたことが、事実上会社が同人の技術を確保することによって、組合の争議による業務停滞を回避するために行った支配介入に当たるとされた例。
3103 労働協約締結をめぐる行為
労使間で締結した非組合員の範囲に関する協定書で非組合員とされている管理職を濫造したことが支配介入に当たるとされた例。
4421 文書掲示等を命じた例
組合員X2の経済連への出向は、既に解除されているものと思われ、本人は、同意のうえ出向していることから文書掲示のみを命じた例。
4613 P.Nのみを命じ、他の救済の必要性を認めなかった例
管理職の濫造に関する救済として、本来、組合員の範囲は、組合員自らが定めるべきものであることから管理職を組合員に戻したうえでの労使協議等まで命じる必要はないとして、文書掲示のみを命じた例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集87集677頁 |
評釈等情報 |
 
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