概要情報
事件名 |
九州旅客鉄道・西日本旅客鉄道・日本貨物鉄道(福岡不採用) |
事件番号 |
福岡地労委 昭和62年(不)第2号
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申立人 |
国鉄労働組合 |
申立人 |
国鉄労働組合門司地方本部北九州支部 外1労働組合 |
申立人 |
国鉄労働組合門司地方本部 |
被申立人 |
九州旅客鉄道 株式会社 |
被申立人 |
西日本旅客鉄道 株式会社 |
被申立人 |
日本貨物鉄道 株式会社 |
命令年月日 |
平成 1年 3月 9日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
国鉄の分割民営化により新会社として発足した九州旅客鉄道ら三社が、国労所属組合員458名を採用しなかったことが争われた事件で、(1)九州旅客鉄道に対して、採用を希望した組合員 422名、西日本旅客鉄道に対して1名、日本貨物鉄道に対して35名を62年4月1日以降それぞれの会社の職員として取り扱うこと、(2)組合員が就労する職場及び職種等について組合と誠実に協議すること、(3)国鉄清算事業団から支払われた賃金額との差額の支払い、(4)文書手交及び掲示を命じ、陳謝文の交付及び掲示については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人九州旅客鉄道株式会社は、同社への採用を希望した別紙組合員目録(1)に記載の組 合員422人を、昭和62年4月1日以降同社の職員として取り扱わなければならない。 2 被申立人西日本旅客鉄道株式会社は、同社への採用を希望した別紙組合員目録(3)に記載の 組合員1人を、昭和62年4月1日以降同社の職員として取り扱わなければならない。 3 被申立人日本貨物鉄道株式会社は、同社への採用を希望した別紙組合員目録(2)に記載した 組合員35人を昭和62年4月1日以降同社の職員として取り扱わなければならない。 4 被申立人らは、上記1項乃至3項を履行するに際しては、それぞれの組合員が就労すべき 職種及び職場等について、申立人組合と誠実に協議しなければならない。 5 被申立人らは、別紙組合員目録(1)乃至(3)に記載の組合員に対し、昭和62年4月1日以降 各被申立会社に就労するまでの間に得たであろう賃金相当額(一時金を含む。)と申立外日 本国有鉄道清算事業団から支払われた賃金額(一時金を含む。)との差額を支払わなければ ならない。 6 被申立人らは、本命令交付後5日以内に、下記文書を申立人組合にそれぞれ手交するとと もに、縦1m×横1.5mの白紙に明瞭に墨書して、九州旅客鉄道株式会社にあっては本社(北 九州市所在の旧本社を含む。)の、西日本旅客鉄道株式会社にあっては新幹線博多駅事務所 入口の、日本貨物鉄道株式会社にあっては九州支社の、各従業員の見易い場所に10日間掲示 しなければならない。 記 今般の国鉄改革に伴う昭和62年4月1日の職員採用において、貴組合所属の組合員である こと及び貴組合の組合活動を行ったことを理由に採用しなかったことは、福岡県地方労働委 員会において労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定され ましたので、該当者については直ちに採用手続を行うとともに貴組合に対し遺憾の意を表し ます。 平成 年 月 日 国鉄労働組合 中央執行委員長 X1 殿 国鉄労働組合門司地方本部 地方執行委員長 X2 殿 国鉄労働組合門司地方本部博多支部 支部執行委員長 X3 殿 国鉄労働組合門司地方本部北九州支部 支部執行委員長 X4 殿 九州旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 |
判定の要旨 |
1500 不採用
国鉄が行った本件国労組合員の採用名簿不登載は、組合員を承継法人から排斥することを意図してなした不当労働行為であるとされた例。
3900 「不利益の範囲」
本件不採用は、経済的、精神的、組合活動上の不利益があるとされた例。
4911 解散事業における使用者
国鉄による採否のための職員選定及至採用候補者名簿不登載と採否の決定行為は設立委員に帰責され、その責任は承継法人に承継されるので、被申立人各社は被申立人適格があるとされた例。
5121 挙証・採証
本件不採用について、個別的立証によらず、概括的立証によって本件不採用者の全員につき採用されたものとしての取扱いを命じることが適切であるとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集85集333頁 |
評釈等情報 |
 
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