概要情報
事件名 |
大盛化工 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和62年(不)第69号
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申立人 |
大盛化工労働組合 |
被申立人 |
大盛化工 株式会社 |
命令年月日 |
平成 1年 1月20日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)62年夏季一時金に関する団交において、損益状況を示す資料を提示するなどして誠実に対応しなかったこと、(2)、(1)の結果夏季一時金の支払が遅れたため、組合員へ貸付を行うために融資を受け利息を負担させることとなったこと、(3)準社員の正社員化問題に関する団交に誠実に応じないこと、(4)組合執行委員長に対して誹謗中傷する発言をしたこと、(5)組合員X1に組合脱退を条件に昇任させたこと、(6)翌年に繰越しできる有給休暇について、組合員を不利に取り扱ったことが争われた事件で、(1)について、損益状況を示す資料を提出して誠実に団交に応ずること、及び(4)に関する文書手交を命じ、その余については棄却((2)については却下)した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人から昭和62年5月28日付で申入れのあった昭和62年度夏季一時金を議 題とする団体交渉に、損益状況を示す資料を提示するなどして、誠意をもって速やかに応じ なければならない。 2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 大盛化工労働組合 執行委員長 X1 殿 大盛化工株式会社 代表取締役 Y1 当社が 貴組合執行委員長X1氏に対して、「そういう考え方で組合を引っ張ろうとして もだめだ」「なぜ、あんたが委員長になっているのか」などと誹謗中傷する発言を行ったこ とは、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為で あると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 3 申立人の、労働金庫からの借入金に係る利息相当分及びその他本件申立て等に要した経費 の支払いに関する申立ては、それぞれこれを却下する。 4 申立人のその他の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
2249 その他使用者の態度
準社員の正社員化要求に関する6回の団交において労使の主張がかみ合わないまま平行線をたどっていたのであるから、会社の団交態度が誠実さを欠くとはいえないとされた例。
2240 説明・説得の程度
組合の一時金要求に対する回答について、会社の損益状況を示す資料を提示するなどして、組合の理解を得るべく努力しなかった会社の団交態度が不当労働行為であるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社社長の組合執行委員長X2に対する発言が、支配介入にあたるとされた例。
5005 損害賠償の請求
会社が一時金の内金払いを拒否したため、組合が労金から借り入れた金額の利息相当分とその他本件申立て等に要した経費の支払いの請求は、不当労働行為救済制度になじまないとして却下された例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集85集142頁 |
評釈等情報 |
 
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