概要情報
事件名 |
立花タクシー |
事件番号 |
愛媛地労委 昭和61年(不)第12号
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申立人 |
自交総連今治地域タクシー労働組合 |
被申立人 |
有限会社 立花タクシー |
命令年月日 |
昭和63年 4月28日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)労使慣行に反し、分会員に一時金を支給しなかったこと、(2)分会委員長の団交における暴言に謝罪しないことを理由に団交拒否したこと、(3)分会員の勤務時間及び車両の待機場所を一方的に制限したこと等が争われた事件で、一時金の支払い、ポスト・ノーティスを命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、昭和61年年末一時金を、昭和59年3月の運賃改訂に伴う立花タクシー労働組合との合意に従い、申立人組合の分会員4名(X1、X2、X3、X4)に対して、昭和61年12月29日から支払い済みに至るまで年5分の金員を付加して支払わなければならない。 2 被申立人は、昭和62年夏期一時金を、昭59年3月の運賃改訂に伴う立花タクシー労働組合との合意に従い、申立人組合の分会員3名(X2、X3、X4)に対して、昭和62年7月29日から支払い済みに至るまで年5分の金員を付加して支払わなければならない。 3 被申立人は、本命令交付の日から7日以内に、下記のとおり、縦1メートル、横 1.5メートルの白紙に楷書で明瞭に墨書し、今治市郷 468番地2の会社内の従業員の見やすい場所に7日間掲示しなければならない。(注 年月日は掲示した日を記載すること。) 記 年 月 日 自交総連今治地域タクシー労働組合 執行委員長 X5 殿 有限会社 立花タクシー 代表取締役 Y1 当社が、自交総連今治地域タクシー労働組合の立花タクシー分会員に対して行った下記の行為は、愛媛県地方労働委員会において、不当労働行為であると認定されましたので、今後はこのような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1) 昭和61年年末一時金を、分会員4名(X1、X2、X3、X4)に対して支給しなかったこと、及び昭和62年夏期一時金を、分会員3名(X2、X3、X4)に対して支給しなかったこと。 (2) 貴組合と団体交渉開催にあたり、「お前は人間じゃない。」との分会執行委員長の発言に対する謝罪文等の提出に固執し、その後の団体交渉を実質的に拒否したこと。 (3) 貴組合加入後、かつて分会員の勤務時間を一方的に制限したことがあること、及び分会員に対してタクシーの待機場所を車庫のみに制限したことがあること。 4 申立人のその余の申立てはこれを棄却する。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
上部団体に加入した分会を嫌悪する会社が慣行として支給されていた一時金を、分会と協定が締結されていないこと理由に分会員に支給しなかったことが不当労働行為とされた例。
2244 特定条件の固執
分会執行委員長X1の団交における若干行きすぎに対する発言に対して、上部団体に謝罪を求めることに固執した会社の姿勢は、X1の発言に藉口した団体拒否であるとされた例。
2901 組合無視
分会員に対して勤務時間及び車両待機場所を制限したことが支配介入とされた例。
3201 不当労働行為とされなかった例
分会員に対して勤務時間及び車両待機場所を制限したことが法7条4号に該当する不当労働行為であるとの主張が斥けられた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集83集377頁 |
評釈等情報 |
 
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