労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  京新学園 
事件番号  大阪地労委 昭和61年(不)第61号 
大阪地労委 昭和62年(不)第31号 
大阪地労委 昭和62年(不)第51号 
大阪地労委 昭和62年(不)第94号 
申立人  大阪私学教職員組合 
申立人  大阪私学教職員組合京新学園分会 
被申立人  学校法人 京新学園 
命令年月日  昭和63年 3月22日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  学園が、(1)交渉権限ある者を出席させず、誠意をもって交渉を行わなかったこと、(2)自宅研修日の一方的廃止により無断欠勤扱いとし減給及び譴責処分を行ったこと、(3)園児数の減少等を理由に分会員3名を休職としたこと、(4)自宅研修を無断欠勤及び職場規律違反として分会員4名を懲戒解雇したことが争われた事件で、(1)誠実団交応諾、(2)自宅研修廃止措置がなかったものとしての取扱い、賃金減給額の支払い及び譴責処分がなかったものとしての取扱い、(3)休職処分、懲戒解雇がなかったものとして取扱い及びバックペイの支払い、(4)これらに関する文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人大阪私学教職員組合(以下「組合」という)及び申立人大阪私学教職員組合京新学園分会(以下「分会」という)からの昭和61年度賃上げ、私学共済組合掛金返還等の要求について、誠意をもって団体交渉を行わなければならない。
2 被申立人は、申立人分会員に対して、次の措置を含め、昭和61年度夏季自宅研修日の廃止措置がなかったものとして取り扱わなければならない。
(1) 昭和61年8月分賃金減給額及びこれに年率5分を乗じた金額を支払うこと
(2) 昭和61年9月30日付けで行った譴責処分をなかったものとして取り扱うこと
3 被申立人は、次の措置を含め、申立人分会員X1、同X2及び同X3に対する昭和62年3月18日付け休職処分並びに同X1及び同X3に対する昭和62年9月19日付け休職処分がなかったものとして取り扱わなければならない。
(1) X1及びX3に対して
(1) 教諭としてクラス担任又はそれに相当する職に復帰させること
(2) 休職となった昭和62年3月26日から前記(1)の原職に復帰させる日までの間、同人らが受けるはずであった賃金相当額(既に支払った金額を除く)及びこれに年率5分を乗じた金額を支払うこと
(2) X2に対して
休職となった昭和62年3月26日から原職に復帰した同年9月10日までの間、同人が受けるはずであった賃金相当額(既に支払った金額を除く)及びこれに年率5分を乗じた金額を支払うこと
4 被申立人は、申立人分会員X4、同X5、同X6及び同X7に対して、次の措置を含め、昭62年4月1日付け懲戒解雇処分がなかったものとして取り扱わなければならない。
(1) 教諭としてクラス担任又はそれに相当する職に復帰させること
(2) 解雇の日から前記(1)の原職に復帰させる日までの間、同人らが受けるはずであった賃金相当額(既に支払った金額を除く)及びこれに年率5分を乗じた金額を支払うこと
5 被申立人は、申立人らに対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
                記
                昭和  年  月  日
  大阪私学教職員組合
   幹事会議長 X8 殿
  大阪私学教職員組合京新学園分会
   分会長 X9 殿
               学校法人 京 新 学 園
                理事長 Y1
 当学園が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
                記
(1) 当学園が、貴組合及び貴分会との昭和61年度賃上げ、夏季一時金、私学共済組合掛金返還及び昭和62年度園児募集等を議題とする団体交渉において、理事長若しくは実質的な交渉権能ある者を出席させず、誠意をもって交渉を行わなかったこと
(2) 当学園が、従来から行っていた自宅研修日としての出勤免除の取扱いを、昭和61年度夏季に一方的に廃止し、この決定に従わず無断で貴分会員が昭和61年度夏季自宅研修日として一定期間出勤しなかったことについて8月分賃金を減給し、昭和61年9月30日付けで譴責処分を行ったこと
(3) 当学園が、貴分会員X1殿、X2殿及びX3殿に対し昭和62年3月18日付けをもって休職を命じ、貴分会員X4殿、X5殿、X6殿及びX7殿に対し昭和62年4月1日付けをもって懲戒解雇を行い、さらに貴分会員X1殿及びX3殿に対し昭和62年9月19日付けをもって休職期間を延長したこと 
判定の要旨  0700 職場規律違反
学園の出勤命令に従わず、自宅研修したこと等を理由に、組合員4名を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。

1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
学園が、夏季の自宅研修日の取扱いを廃止したことに合理的理由は認められず、組合員の自宅研修日を無断欠勤であるとして賃金カットし、譴責処分に付したことが不当労働行為とされた例。

1401 労務の受領拒否
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
園児数の減少からくる教諭の雇用保障問題等について組合の理解を得る努力を一切行わず、3名の組合員である教諭に休職を命じたことが不当労働行為とされた例。

2248 実質的権限のない交渉担当者
2251 一方的決定・実施
申立人分会の要求事項に関する団交において交渉権限のある者を出席させず、分会と協議することなく一方的に実施したことが誠意を欠くものとされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集83集264頁 
評釈等情報   

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