概要情報
事件名 |
相模女子大学 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和61年(不)第17号
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申立人 |
相模女子大学労働組合 |
被申立人 |
学校法人 相模女子大学 |
命令年月日 |
昭和63年 1月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
大学が、交渉事項が労委で審査中であること、交渉員に学外者が参加すること、立て看板等を撤去しないこと等を理由に、責任ある者の団交出席を拒否したこと、学科主任が組合員に対し、電話で要求書を取り下げるよう委員長を説得して欲しい等の話をしたことが争われた事件で、(1)責任ある者が団交に出席し、誠実に応ずること、(2)教授会執行部、学科主任などの関係機関をして、誠実に団交に応じさせる措置をとること、(3)学科主任をして組合員を威圧させたり、団体交渉員を学内者に制限するなどの支配介入の禁止、(4)誓約書の手交を命じ、ポスト・ノーティスの申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人の申し入れる団体交渉について、申入れ団体交渉事項が、労働委員会において審査中であることを理由に団体交渉を拒否してはならず、また、申立人組合の団体交渉員に学外者が参加すること、申立人が立て看板等を撤去しないこと等を理由に責任ある者が団体交渉への出席を拒否してはならず、誠実にこれに応じなければならない。 2 被申立人は、申立人の団体交渉要求事項に応じ、教授会執行部、学科主任などの関係機関をして、誠実に団体交渉に応じさせる措置をとらなければならない。 3 被申立人は、申立人及びその組合員に対し、一般教育学科主任をして威迫させたり、団体交渉員を学内者に制限するなどして、申立人の組織・運営に支配介入してはならない。 4 被申立人は、本命令書交付後、速やかに次の誓約書を申立人に手交しなければならない。 誓 約 書 当法人が行った次の行為は、この度神奈川県地方労働委員会により、労働組合法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為である旨認定されました。 当法人はここにその責任を認め、再びこのような行為を繰り返さないことを誓約します。 (1) 当法人が、貴組合が申し入れた団体交渉について、申入れ団体交渉事項が、労働委員会において審査中であることを理由に団体交渉を拒否したこと、また、申立人組合の団体交渉員に学外者が参加すること及び申立人が立て看板等を撤去しないこと等を理由に責任ある者が団体交渉への出席を拒否し、誠実に交渉を行わなかったこと。 (2) 一般教育において、学科主任が貴組合員を威迫したり、貴組合の団体交渉員を学内者に制限しようとするなど貴組合の組織・運営に支配介入したこと。 昭和 年 月 日 相模女子大学労働組合 執行委員長 X1 殿 学校法人 相模女子大学 理事長 Y1 5 申立人のその余の救済申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2120 交渉委任
教授会執行部、学科主任などの機関は、理事会等から委任された権限に基づき労働組合とその範囲で誠実に対応することが必要とされた例。
2123 その他交渉出席者
申立人組合の交渉員に学外者が参加すること及び立看板を撤去しないことを理由に学長及び短大部長が団交を欠席したことが不当労働行為とされた例。
2300 賃金・労働時間
組合が取り上げた問題は、助手の労働条件にかかわることから団交事項とされた例。
2241 他の係争事件の存在
理事会は団交をめぐる紛争が、労委で審理中であることを理由に団交を拒否したことが不当労働行為とされた例。
2300 賃金・労働時間
組合は、交渉相手によって「団交」と「職場交渉」とを使いわけているが、交渉内容は明らかに労働条件の改善を目指しているもので、職場交渉も団交であるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
実質的に管理職である学科主任が女子組合員宅に電話した内容が支配介入とされた例。
3102 争議対抗手段
大学が、交渉における秩序の乱れを理由に学外者の団交参加を拒否し、その排除を求めたことが支配介入とされた例。
3500 処分の時期
大学では、X1助手の専任講師への昇格が教授会で否決され、その時期に、助手等の労働条件に影響を及ぼす地位にあった主任の威嚇的言動が支配介入とされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集83集87頁 |
評釈等情報 |
 
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