概要情報
事件名 |
鎌倉市教育委員会 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和60年(不)第17号
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申立人 |
鎌倉市職員労働組合現業職員評議会 |
被申立人 |
鎌倉市教育委員会 |
被申立人 |
鎌倉市 |
命令年月日 |
昭和62年 6月16日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
鎌倉市が、鎌倉市職員労働組合現業職員評議会との間において継続交渉となっていた現業職員の初任給引下げを交渉せずに実施したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、交渉を約した労働条件の変更に係る事項について、今後、交渉することなく一方的に実施してはならないこと、及び誓約書の手交を命じ、初任給基準の引下げ措置の取消し及び差額等の支払、陳謝文の掲示の申立ては棄却し、鎌倉市教育委員会に係る申立ては却下した。 |
命令主文 |
1 被申立人鎌倉市は、申立人との間で交渉を約した労働条件の変更に係る事項について、今後、申立人と団体交渉することなく一方的に実施してはならない。 2 被申立人鎌倉市は、本命令交付後速やかに、次の誓約書を申立人に手交しなければならない。 誓 約 書 貴組合と継続交渉すべきであった現業職員の初任給引下げについて、貴組合と団体交渉せずに実施したことが、神奈川県地方労働委員会により不当労働行為であると認定されました。 したがって、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。 年 月 日 鎌倉市職員労働組合現業職員評議会 会長 X1 殿 鎌 倉 市 市長 Y1 3 被申立人鎌倉市教育委員会に係る申立ては却下する。 |
判定の要旨 |
2901 組合無視
市が組合との間で継続交渉となっていた初任給引下げを交渉せず実施したことが、結果として組合無視となり支配介入とされた例。
4614 文書手交のみを命じた例
組合と継続交渉すべき初任給引下げに係る救済措置として、取消し、差額等の支払いを命ずることは適切とは言い難く、今後、市が係る措置に出ることを禁ずる旨の措置の誓約書の手交で足りるとされた例。
4820 単一組織の支部・分会等
申立時点の組合規約が労組法5条2項7号の規定を欠き、申立人適格がないとの会社主張は、その後、補正の確約書が労委に提出され、適合する旨の決定をしているとして斥けられた例。
4918 自治体
現業職員の初任給の基準は市長が規則で定めており、教育委員会は初任給の是正について処分し得る立場にないから使用者とはいえず、被申立人適格を欠くとされた。
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業種・規模 |
地方公務(市町村機関) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集81集496頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 1987.9.10 1175号 49頁 
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