概要情報
事件名 |
ネグロス電工 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和60年(不)第47号
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申立人 |
総評全国金属労働組合大阪地本港合同 |
被申立人 |
ネグロス電工 株式会社 |
命令年月日 |
昭和62年 3月 9日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、会社内で唯一人の組合員であるX1に関し、(1)昭和60年度賃上げ、夏季一時金についての団体交渉を誠実に行わなかったこと、(2)過去の時間外手当の差額を支払わなかったこと、(3)10年勤続表彰の対象から除外したことが不当労働行為であるとして争われた事件で、誠意ある団体交渉の速やかな実施、X1に対する10年勤続表彰を行ったものとしての取扱い、これらに関するポスト・ノーティスを命じ、上記(2)に関する申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、昭和59年9月26日付け及び同60年3月1日付けの協定書に基づいて、申立人組合員X1の昭和60年度賃上げ・同年度夏季一時金に関して、申立人と誠意をもって速やかに団体交渉を行わなければならない。 2 被申立人は、申立人組合員X1に対し、昭和60年6月1日に10年勤続表彰を行ったものとして取り扱わなければならない。 3 被申立人は、1メートル× 1.5メートル大の白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人会社大阪営業所の正門付近の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。 記 年 月 日 総評全国金属労働組合大阪地本港合同 委員長 X2 殿 ネグロス電工株式会社 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において労働組合法第7条第1号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1) 貴組合員X1氏の昭和60年度賃上げ・同年度夏季一時金に関して貴組合と誠意をもって団体交渉を行わなかったこと (2) 貴組合員X1氏に対し10年勤続表彰を行わなかったこと 4 申立人のその他の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
X1に対する時間外手当の差額については、会社は支払い意思を明らかにしており、労基署の指導があった旨の疎明がないこと、X1の場合加入以前のことであるから不利益取扱いとはいえないとされた例。
1601 福利厚生上の差別
2900 非組合員の優遇
会社が、X1を10年勤続表彰対象者から除外したことは、同人が組合員であることを嫌悪してなされた不当労働行為とされた例。
2240 説明・説得の程度
賃上げ及び一時金の団交に先立って回答したものを最終回答だとして固執し、組合が資料の提供を求めたのに何ら説明しなかったことが不誠実団交とされた例。
2211 団交ルールの先議
2240 説明・説得の程度
会社は、団交前に事務折衝を行うことに固執し、かつ、会社側交渉員の日程調整に手間どり、結果として団交を遅延させたことが団交拒否とされた例。
2248 実質的権限のない交渉担当者
組合は、会社側の交渉委員は権限を有しておらず、代表取締役等権限ある者の出席を求めたが、本件交渉委員に対し会社は、全ての権限を与えているとして棄却した例。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集81集295頁 |
評釈等情報 |
 
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