概要情報
事件名 |
田中産業 |
事件番号 |
愛媛地労委 昭和61年(不)第1号
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申立人 |
全国一般労働組合愛媛地方本部松山支部 |
被申立人 |
田中産業 有限会社 |
命令年月日 |
昭和62年 2月18日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
従業員3名をもって申立人組合の分会を結成したところ、会社が、(1)分会員に対し、組合を脱退するよう勧奨し、(2)分会員3名に対し、業務上を理由に、車輛整備ないしミキサー車乗務から雑用に従事させ、(3)更に、関連会社に派遣して土木作業に従事させたことが不当労働行為であるとして争われた事件で、分会員3名のミキサー車運転業務等の原職復帰及び諸手当の支払い、脱退勧奨等の禁止、ポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合員X1、同X2、同X3を、同人らが昭和61年1月14日当時従事していたミキサー車運転業務等の原職に復帰させるとともに、昭和61年1月18日から、原職に復帰するまでの間に得たはずである諸手当(洗車手当、チャーター手当、整備手当)を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人組合の組合員に対し、組合からの脱退を勧奨するなど、申立人組合の運営に介入してはならない。 3 被申立人は、本命令交付の日から7日以内に、下記のとおり、縦1メートル、横70センチメートルの大きさの白紙に楷書で明瞭に墨書し、北条市府中の現場事務所内の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。 記 田中産業有限会社は、従業員が全国一般労働組合愛媛地方本部松山支部に加入したことにより、加入組合員に対し不利益取扱いをしたこと及び組合に対し支配介入をしたことを深く反省するとともに、今後、このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。 昭和 年 月 日 全国一般労働組合愛媛地方本部松山支部 執行委員長 X4 殿 田中産業有限会社 代表取締役 Y1 (注 年月日は、掲示した日を記載すること。) 4 申立人のその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1301 出向
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
ミキサー車の運転を行っていた正社員である分会員3名を業務内容の異なる関連会社へ長期間派遣して土木作業に従事させたことが不利益取扱であるとともに支配介入とされた例。
1302 就業上の差別
ミキサー車の運転業務に従事していた分会員3名を、生コンクリート輸送の注文が続いているにもかかわらず、合理的理由なく雑務に従事させたことが不利益取扱とされた。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社の代表者Y1らが、組合結成を忌避し、組合員3名に対してY1の遠縁の者を通じて、組合をやめるよう頼んだり、組合をやめないのであれば貸している金を返してほしいなど組合脱退を勧誘したことが支配介入とされた。
4413 給与上の不利益の場合
分会員3名に対し、関連会社への派遣、ミキサー車に乗務させない、車両整備をさせないこと等により不支給となった洗車手当等を支払うのが相当とされた。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集81集208頁 |
評釈等情報 |
 
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