労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  倉吉市農協 
事件番号  鳥取地労委 昭和56年(不)第1号 
鳥取地労委 昭和57年(不)第2号 
申立人  鳥取県単協労働組合連合会 
申立人  倉吉市農業共同組合労働組合 
被申立人  倉吉市農業協同組合 
命令年月日  昭和62年 2月 9日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  農協が、組合委員長X1を公用車を無許可で使用したことを理由に譴責処分に、また、組合休暇を不承認としたにもかかわらず、これを無視して裁判の傍聴に行ったことを理由に厳重注意処分に付したこと、(2)昭和46年度以降の人事考課において組合員を低く評定したこと、(3)昭和56年年末及び同年度年度末一時金に関する団体交渉において、組合との合意がないまま各人の預金口座に一方的に振込支給したりして、誠意ある交渉を行わなかったこと、(4)春闘時において非組合員による職場代表会議を開催し組合と別に賃金交渉を行ったりしたことが不当労働行為であるとして争われた事件で、(1)X1に対する各処分の取消し、(2)誠意をもって団体交渉に応ずること、(3)支配介入の禁止を命じ、(4)申立て前、1年前の職場代表者会議の開催に関しては却下し、(5)その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、昭和56年11月28日付けでなした申立人組合執行委員長X1に対する譴責処分及び厳重注意処分を取り消し、両処分がなかったものとして取り扱わなければならない。
2 被申立人は、昭和56年年末一時金についての団体交渉に、自己の回答内容の必要性、合理性を説明、説得するとともに、これに対して申立人組合が検討、協議し得る時間的余裕をおくなどして、誠意をもって応じなければならない。
3 被申立人は、昭和56年年度末一時金についての団体交渉に、誠意をもって応じなければならない。
4 被申立人は、賃金決定に際して予め非組合員による職場代表者会議を開催したり、非組合員から同意書を取るなどして、申立人らの活動に支配・介入してはならない。
5 昭和55年春闘時における職場代表者会議の開催等に係る申立てについては、これを却下する。
6 その余の申立てについては、これを棄却する。 
判定の要旨  0126 反執行部・分派活動
農協の脱税事件処理決議無効確認訴訟の支援傍聴をすることは、脱税が行われた時期のベ・アに影響する等労働条件に直接、間接に係わる問題であり、労組法上の組合活動に当たるとされた例。

1202 考課査定による差別
組合員の人事考課を低位に査定したとの主張は、人事考課の結果、同年齢ないし年齢の近似した非組合員に比べて賃金が低い者がおり、組合員全体が低位であるとは認められないとされた例。

1400 制裁処分
農協の、執行委員長X1の外販車を無断で使用したことを理由として譴責処分が不当労働行為とされた。

1400 制裁処分
執行委員長X1が、農協の脱税事件処理決議無効確認訴訟の傍聴のための組合休暇を請求したが、許可せず傍聴に出掛けたことを理由に厳重注意処分に付したことが不当労働行為とされた例。

2251 一方的決定・実施
会社は、一時金交渉が組合と合意に至らないまま、各組合員の預金口座に振り込んだことが不当労働行為とされた例。

2247 解決済
農協が、一時金を各組合員に振り込み、各人がこれを受領したといえども、組合が異議を唱え団交を申入れている以上、農協の解決済であるとの主張は認められないとされた。

2901 組合無視
一時金の回答に先立ち、非組合員にのみ同意を取り、十分な団体交渉をつくすこともなく職員の口座に、振込み支給したことが団交の実質を失わせる支配介入とされた例。

2901 組合無視
農協が、労委のあっせん案を受諾するに先立ち、非組合員との職場代表者会議を開催し、意見聴取をしたことは申立人組合の活動を牽制する支配介入とされた。

4420 団交を命じた例
人事考課配分の拡大により、不利益となる減収分の支払い申立て部分は、誠意ある団交を命ずることで救済の実は達成されるとして斥けられた。

5200 除斥期間
職場代表者会議の開催、非組合員からの同意書を取ったことに関する申立ては、行為の日から1年を経過しており、継続する行為には当たらないとされた例。

業種・規模  協同組合 
掲載文献  不当労働行為事件命令集81集141頁 
評釈等情報   

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