概要情報
事件名 |
中国放送 |
事件番号 |
中労委昭和57年(不再)第15号
中労委昭和57年(不再)第16号
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再審査申立人 |
株式会社 中国放送 |
再審査被申立人 |
日本民間放送労働組合連合会中国放送労働組合ほか12名 |
再審査被申立人 |
日本民間放送労働組合連合会 |
命令年月日 |
昭和61年 8月 6日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合員X1ら9名を昭和55年8月に副部長に昇格させなかったこと、(2)春闘期間中に闘争委員であるX2ら3名を配置転換したことが争われた事件で、(1)X1ら9名の副部長昇進、(2)X2ら3名の原職復帰を命じ、その余の申立てを棄却した初審命令の(1)については、再審査中に死亡したX3については昇進問題は承継人は承継しないとして同人を除き、(2)については、文書手交に変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1.初審命令主文第1項中「別紙1記載9人」とあるを「別紙1記載の9人のうちX4を除く8 人」と改める。 2.初審命令主文第2項を次のとおり変更する。 2)会社は、本命令交付後速やかに、下記の内容の文書を、日本民間放送労働組合連合会、 日本民間放送労働組合連合会中四国地方連合会及び日本民間放送労働組合連合会中国放 送労働組合に手交しなければならない。 記 昭和 年 月 日 日本民間放送労働組合連合会 代表者 中央執行委員長 X5 殿 日本民間放送労働組合連合会中四国地方連合会 代表者 執行委員長 X6 殿 日本民間放送労働組合連合会中国放送労働組合 代表者 執行委員長 X7 殿 株式会社 中国放送 代表者 代表取締役 Y1 当社が、昭和56年4月10日付で貴組合の闘争委員X2、同X8及び同X9を配置転換した ことは、不当労働行為であると中央労働委員会において認定されました。 今後、このようなことがないようにいたします。 3.その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が組合員9名を副部長に昇進させなかったのは、同人らを副部長に昇進させても、組合を脱退せず、組合活動を継続するであろう事を危惧してなしたものと認めるのが相当であり不当労働行為であるとされた例。
1200 降格・不昇格
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合に再加入したX1を副部長に昇進させなかったことについて、X1と同期の非組合員でも副部長に昇進していないことなどから、組合員であるが故の差別であるとまでは断ずることはできず、不当労働行為ではないとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
労使関係が緊迫している時期に、機構改革を実施し、闘争委員を配転したことが支配介入であるとされた例。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
再審査結審後に死亡した組合員X2の配偶者からの救済申立ての承継の申出について、副部長への昇進は、配偶者が承継できるものではないとして、X2を副部長に昇進させたものとして取扱うよう命じた初審命令主文を取消した例。
4614 文書手交のみを命じた例
機構改革の必要性が認められ、人選の不当性・不利益性は認められないものの、春闘期間中に闘争委員を配転したことの故に不当労働行為であると判断し、現職復帰まで命ずる必要は認められないとして、初審命令主文を変更した例。
5004 管理職への登用の請求
昇進人事が不当労働行為に該当する場合には、使用者の有する人事権の行使が制約を受けるのは当然であり、副部長に昇進させたものとして取り扱うよう命ずることがもっとも適切妥当な救済であるとされた例。
5005 損害賠償の請求
組合員X2ら3名の配置転換によって生じた争議行為に対する賃金カット、闘争費用等の不利益一切の弁済の請求申立ては不当労働行為制度の趣旨からみて認めることはできないとした初審判断は相当であるとされた例。
5123 審査中の組合脱退・退職等の取扱い
副部長昇進差別を受けた申立組合員が死亡したことにつき、配偶者は申立てを承継できないとされた例。
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業種・規模 |
放送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集80集685頁 |
評釈等情報 |
 
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