概要情報
事件名 |
大阪相互タクシー |
事件番号 |
大阪地労委 昭和60年(不)第72号
|
申立人 |
自交総連大阪相互タクシー労働組合 |
被申立人 |
大阪相互タクシー 株式会社 |
命令年月日 |
昭和61年12月23日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社が、(1)組合が行った救済命令の履行等を求める内容の宣伝活動が、就業時間中の組合活動にあたり就業規則違反であるとして組合委員長X1に対し、車庫整備係勤務を命じる職種変更処分を行ったこと、(2)この処分の撤回等を求める内容の宣伝活動を行った副委員長X2及び書記長X3に対しても、同様の4日間の職種変更処分を行ったことが争われた事件で、上記3名に対する処分がなかったものとしての取扱い、各人の処分前3ヵ月間の平均賃金を基礎に算出した5日分ないし4日分の賃金相当額とその間の既支払額との差額(年5分加算)を支払うこと、及びこれに関する文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合員X1に対する昭和60年11月5日から同月9日までの間の車庫整備 係勤務を命じる職種変更処分がなかったものとして取り扱い、同人の処分前3カ月間の平均 賃金を基礎に算出した5日分の賃金相当額とその間の既払額との差額及びこれに年率5分を 乗じた金額を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人組合員X2及び同X3に対する昭和60年11月11日から同月14日までの間の 車庫整備係勤務を命じる職種変更処分がなかったものとして取り扱い、同人らの処分前3カ 月間の平均賃金を基礎に算出した4日分の賃金相当額とその間の既払額との差額及びこれに 年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。 3 被申立人は、1m×2mの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、速やかに会社正門付 近で従業員の見やすい場所に2週間掲示しなければならない。 年 月 日 自交総連大阪相互タクシー労働組合 執行委員長 X1 殿 大阪相互タクシー株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合に対して行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合 法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後この ような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1)貴組合執行委員長X1氏に対し、昭和60年10月31日の組合活動を理由に同年11月5日から 同月9日までの間車庫整備係勤務を命じる職種変更処分を行ったこと。 (2)貴組合副執行委員長X2氏及び同書記長X3氏に対し、昭和60年11月7日の組合活動を理由 に同年11月11日から同月14日までの間車庫整備係勤務を命じる職種変更処分を行ったこ と。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
組合委員長X1らが会社出入口付近の構外において行った宣伝活動の音声が仮に就業中の従業員に聞こえたとしても、労働組合の宣伝活動として通常許される範囲内であるとされた例。
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合委員長X1らが行った宣伝活動は、就業時間中の組合活動に当たるとして、X1ら3名に対し、車庫整備係勤務を命じる職種変更処分を行ったことが不当労働行為であるとされた例。
4407 バックペイの支払い方法
組合委員長X1ら3名が、職種変更処分がなければ受けるはずであった賃金相当額の算定にあたり、賃金が毎月一定していないため、被処分者の処分前3ヵ月の平均賃金を基礎に算定するのが相当であるとされた例。
|
業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集80集572頁 |
評釈等情報 |
 
|