労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大和交通 
事件番号  奈良地労委 昭和59年(不)第4号 
奈良地労委 昭和59年(不)第5号 
申立人  奈良県自動車交通労働組合大和交通分会 ほか5名 
被申立人  大和交通 株式会社 
命令年月日  昭和61年10月 7日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)昭和59年の春闘期間中に、営業車にステッカーを貼った分会会員4名を1日間の出勤停止処分したこと、(2)ピケッティングによる出庫阻止を理由に分会長を5日間の出勤停止処分にしたこと、(3)慰安旅行中の喧嘩を理由に分会員X1を5日間の出勤停止処分にしたこと、(4)賃上げ、一時金の団交において別組合との妥結内容の押し付けに終始したことが争われた事件で、今後、分会からの団交申入れに対し、別組合との交渉態度とに差別を生じないように公平を期し、誠実に団交応諾及びこれに関する文書交付を命じ、その余の申立ては棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、今後、申立人奈良県自動車交通労働組合大和交通分会からの団体交渉の申し 入れに対し、カイナラタクシー労働組合との交渉態度とに差別を生じないように公正を期  し、誠実に団体交渉に応じなければならない。
2 被申立人は、申立人奈良県自動車交通労働組合大和交通分会に対して、本命令書受領の日 から1週間以内に下記文書を交付しなければならない。
                     記
                              昭和  年  月  日
   奈良県自動車交通労働組合大和交通分会
    分会長 X2 殿
                         大和交通株式会社
                          代表取締役 Y1
  当社が、貴組合に対し、下記の不当労働行為を行った旨奈良県地方労働委員会により認定 されました。よって、今後、このような行為を繰り返さないことを誓約します。 
                      記
  貴組合からの団体交渉の申し入れに対し、カイナラタクシー労働組合との交渉態度とに差 別をし、不公正に取扱い、誠実に団体交渉に応じなかったこと。
3 申立人らのその余の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  0414 ピケッティング
分会のピケッティングによるタクシー営業車の出庫阻止は、平和的説得の範囲を明らかに逸脱したものであり、正当性の限界を超えた違法な争議行為であるとされた例。

1400 制裁処分
分会員X3らを営業車にステッカー貼付したことを理由に出勤停止処分に付したことが不当労働行為ではないとされた例。

1400 制裁処分
組合が行ったピケッティングに対する幹部責任を問うて分会長を出勤停止処分に付したことが不当労働行為ではないとされた例。

2246 併存団体との関係
多数組合との団交を重視し、少数組合の分会との団交では、形式的な交渉を行うに過ぎない会社の態度は、団交を誠実に行ったものとはいえず不当労働行為であるとされた例。

3020 組合活動への制約
タクシー営業車にステッカー貼付行為は、正当な限度を逸脱したもので、会社が分会員にステッカーの撤去を命じ、あるいは自力で撤去したことは止むを得ない措置であったといわざるを得ないとされた例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集80集364頁 
評釈等情報   

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