概要情報
事件名 |
常滑競艇 |
事件番号 |
愛知地労委 昭和60年(不)第4号
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申立人 |
全競労常滑競艇労働組合 |
被申立人 |
常滑市 |
命令年月日 |
昭和61年 8月 1日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
常滑競艇場の労働者が、既存の組合とは別に新組合を結成するに際して、常滑市競艇場の人事労務担当課長補佐が組合員に不利益を暗示する発言を行ったり、市長名の組合活動を抑制するような文書を配布したこと、団交ルールが合意されていないことを理由として団交に応じなかったことが争われた事件で、組合員に不利益が及ぶような暗示的な発言や組合活動を抑制するような市長名の文書配布などによる支配介入の禁止、及び団交応諾命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人の組合員に不利益が及ぶような暗示的な発言をしたり、従業員に組合 活動を抑制するような市長名の文書を配布するなどして、申立人に対し支配介入をしてはな らない。 2 被申立人は、団体交渉ルールが合意されていないことを理由にして、申立人の申し入れた 別記事項を議題とする団体交渉を拒否してはならず、誠意をもってこれに応じなければなら ない。 3 被申立人は、縦・横それぞれ150cm×100cmの白紙全面に下記内容を明瞭に墨書し、本命令 書交付の日以後始まる直近の一開催期間中、常滑競艇場内の従業員の見易い場所に、これを 掲示しなければならない。 記 当市が、貴組合の組合員に不利益が及ぶような暗示的な発言をしたり、従事員に組合活動 を抑制するような市長名の文書を配布するなどしたことは、労働組合法第7条第3号に該当 する不当労働行為であると愛知県地方労働委員会によって認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。 昭和 年 月 日 全競労常滑競艇労働組合 執行委員長 X1 殿 常滑市市長 Y1 4 申立人のその余の申立は、これを棄却する。 別記 ・昭和60年度の賃金を 700円引き上げることについて。 ・従事員の定年を65歳に引き上げることについて。 ・昭和60年4月29日に行った10名の、清掃への配置転換を元に戻すことについて。 ・通勤バスの3台削減を復活することについて。 ・レース後の全員による清掃を直ちにやめることについて。 ・誤発売・払い戻しに関する取り扱いの基準を明確にし、平等な扱いをすることについて。 ・1窓1人制を、2窓3人制に人員配置を改めることについて。 ・従事員の駐車場を、便利な場所に変更することについて。 ・組合結成に伴い組合事務所と掲示板を貸与することについて。 ・時間内の組合活動を保障することについて。 ・団体交渉ルールの取り決めについて。 |
判定の要旨 |
2211 団交ルールの先議
組合からの賃上げ等に関する団交申入れに対して、市側提示の団交ルールに応じないことを理由に、団交を拒否したことが不当労働行為であるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
人事・労務の事実上の責任者であるY2課長補佐が、組合結成の中心者らに対し、不利益が及ぶような暗示的な発言を行ったことが支配介入であるとされた例。
2620 反組合的言動
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
団交申入れの直後、従事員に組合活動を抑制するような市長名の文書を配布したことが支配介入であるとされた例。
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業種・規模 |
地方公務(市町村機関) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集80集144頁 |
評釈等情報 |
 
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