概要情報
事件名 |
関西汽船 |
事件番号 |
大分地労委 昭和59年(不)第3号
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申立人 |
X1 |
申立人 |
全日本港湾労働組合関西地方阪神支部 |
被申立人 |
関西汽船 株式会社 |
命令年月日 |
昭和61年 7月 1日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、別府支部の組合活動の中心的役割を果たしてきた組合員X1を、他の従業員から隔離し、正規の業務を与えず、封筒づくりの仕事をさせていることが争われた事件で、(1)X1に適正業務を付与、(2)X1の机を、事務室内で、他の従業員の机と並べるなど適切な位置に配置、(3)これらに関する文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人関西汽船株式会社は、次の措置をとらなければならない。 (1)申立人X1に対して、会社従業員として適正な業務を与えること。 (2)申立人X1の机を、被申立人関西汽船株式会社別府支社の事務室内で、他の従業員の机と 並べるなどの適切な位置に配置すること。 (3)本命令書受領後10日以内に縦110cm×横70cmの白紙に、下記のとおり分かりやすく楷書で 墨書して、被申立人関西汽船株式会社別府支社の正面入口付近の従業員の見やすい場所 に10日間掲示すること。 記 昭和 年 月 日 全日本港湾労働組合関西地方阪神支部 執行委員長 X2 殿 関西汽船株式会社 代表取締役 Y1 当会社が、貴組合の組合員X1に対して、昭和57年6月21日から適正な業務を与えなかった こと、及び他の従業員から隔離する等の不適切な配置をなしたことは、大分県地方労働委員 会において、不当労働行為と認定されました。 当会社は、今後このような行為を繰り返すことのないよう留意します。 |
判定の要旨 |
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
X1ら3名による業務委託に対する抗議は、いささか穏当さを欠く点も見受けられるが、組合の要求等をすべて無視し続けてきた会社の態度に照らすと、正当な組合活動の範囲を逸脱するものではないとされた例。
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合員に正規の業務を行わせず、封筒作りをさせたことが不当労働行為であるとされた例。
4820 単一組織の支部・分会等
本件配転の対象者たる組合員の全港湾加入手続に疑義があり、組合には会社の雇用する労働者は存在しないとの主張を斥け、組合は独自の組合規約及び執行機関を有し、執行委員会も加入を承認しており、申立人適格を有するとされた例。
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業種・規模 |
水運業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集80集50頁 |
評釈等情報 |
 
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