概要情報
| 事件名 |
タマス |
| 事件番号 |
東京地労委 昭和55年（不）第36号
東京地労委 昭和55年（不）第62号
東京地労委 昭和56年（不）第84号
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| 申立人 |
Ｘ1 他1名 |
| 申立人 |
合化労連化学一般関東地方本部 |
| 被申立人 |
株式会社 タマス |
| 命令年月日 |
昭和60年11月19日 |
| 命令区分 |
一部救済（命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む） |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
（1）申立人Ｘ1に対する嘱託契約の更新拒否、（2）見本市会場周辺でのビラ配布活動に参加した分会員10名に対する年次有給休暇の取消し及びそれに伴う給与等のカット、（3）申立人Ｘ2に対する本社から工場への配転が争われた事件で、（1）分会員10名に対する年次有給休暇の取消し措置の撤回と給与等からのカット額相当分の支払い、（2）申立人Ｘ2に対する配転前の原職又は原職相当職への復帰及びその間に同人が受けるはずであった賃金相当額（ただし、会社が同人に支払った手当額及び同人が別会社で得た賃金額は控除）の支払いの措置を含む配転命令がなかったと同様の状態の回復及び、それらについての文書の交付を命じ、申立人Ｘ1に対する嘱託契約の更新拒否に係る申立てについては棄却した。 |
| 命令主文 |
1 被申立人株式会社タマスは、申立人合化労連化学一般関東地方本部所属の下記組合員らに対し、昭和55年6月18日の年次有給休暇を取り消した措置を撤回するとともに、これに伴い被申立人会社が同年6月にカットした給与および精皆勤手当相当額、同年11月にカットした決算一時金相当額並びに同年12月にカットした年末一時金相当額を同人らに支払わなければならない。
記
Ｘ2、Ｘ3、Ｘ4、Ｘ5、Ｘ6、Ｘ7
Ｘ8、Ｘ9、Ｘ10、Ｘ11
2 被申立人会社は、申立人Ｘ2に対して次の措置を含め昭和55年7月1日付配転命令がなかったと同様の状態を回復させなければならない。
(1)配転前の原職または原職相当職に復帰させること。
(2)昭和55年11月6日以降、配転前の原職または原職相当額に復帰するまでの間に同人が受けるはずであった賃金相当額を支払うこと。但し、その間、被申立人会社が同人に支払い済みの手当額（昭和55年7月から昭和56年12月までの家族手当額と住宅手当額）および同人が申立外有限会社ヤマト交通で得た賃金額については、これを控除するものとする。
3 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記の文書を申立人組合に交付しなければならない。
記
昭和 年 月 日
合化労連化学一般関東地方本部
執行委員長 Ｘ12 殿
株式会社 タマス
代表取締役 Ｙ1
当社が貴組合所属の組合員Ｘ2氏ら10名に対し、昭和55年6月18日の年次有給休暇を取り消す措置に出て、これに伴う給与等のカットをしたことおよびＸ2氏に対して昭和55年7月1日付で配転を命じたことは、いずれも不当労働行為であると東京都地方労働委員会で認定されました。
今後このような行為を繰り返さないよう留意します。
（注、年月日は、交付した日を記載すること。）
4 被申立人会社は、前各項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければならない。
5 その余の申立てを棄却する。 |
| 判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
コンピューターの導入により業務がなくなったとして、申立人Ｘ1との嘱託契約の更新を拒否したことが、不当労働行為に当たらないとされた例。
1204 スト・カット
1600 休暇の取扱い
3010 労組法7条1号（不利益取扱い、黄犬契約）と競合
Ｘ2ら10名が参加した見本市におけるビラ配布等の活動は争議行為であるとして、一旦承認した同人らの年次有給休暇を取り消し、それに伴う給与等のカットを行ったことが不当労働行為とされた例。
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号（不利益取扱い、黄犬契約）と競合
申立人Ｘ2に対して本社から工場への配転を命じたことが、不当労働行為とされた例。
3900 「不利益の範囲」
申立人Ｘ2に対する本社から工場への配転が同人にとって不利益であることはいうまでもなく、組合活動上も不利益を招くものであるとされた例。
4405 バックペイから他収入控除
申立人Ｘ2の配転に係る救済としてバックペイを命ずるにあたり、同人が配転を拒否した後、別会社で働いて得た賃金額の分については、これを控除するのが相当であるとされた例。
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| 業種・規模 |
その他の製造業 |
| 掲載文献 |
不当労働行為事件命令集78集395頁 |
| 評釈等情報 |
労働法律旬報 五百蔵洋一 山口広 1986年4月10日 1141号 53頁
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