概要情報
事件名 |
大阪相互タクシー |
事件番号 |
大阪地労委 昭和57年(不)第75号
大阪地労委 昭和57年(不)第84号
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申立人 |
自交総連大阪相互タクシー労働組合 |
被申立人 |
大阪相互タクシー 株式会社 |
命令年月日 |
昭和60年10月22日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が(1)組合支部副委員長X1を、非組合員Z1に対する暴力行為についての事実書及び始末書の提出拒否を理由に懲戒解雇したこと、(2)組合のビラ配布、宣伝カーによる宣伝活動を妨害したこと、(3)組合員からの有給休暇届を受理せず、また、担当車の修理を遅らせたこたが争われた事件で、組合員X1の原職復帰、バック・ペイ(年5分加算)及びビラ配布、宣伝カーによる宣伝活動を妨害したこと、有給休暇届けを受理せず、また担当車の修理を遅らせるなどの差別的取扱い、組合からの脱退を強要したことについてのポスト・ノーティスを命じ、組合員X2らの担当車の修理を遅らせなければ同人らが乗務して得たであろう賃金相当額の支払いを求める申立てについては、その明細の疎明がないとして棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合員X1に対して、次の措置を含め、昭和57年12月1日付け解雇がなかったものとして取り扱わなければならない。 (1)原職に復帰させること (2)解雇の日の翌日から原職に復帰させる日までの間、同人の解雇前3ヵ月間(下車勤期間を除く)の賃金平均額を基礎として、同人が受けるはずであった賃金相当額(既に支払った金額は除く)及びこれに年率5分を乗じた額を支払うこと 2 被申立人は、1メートル×2メートル大の白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、速やかに被申立人大阪相互タクシー株式会社の本社正面玄関付近及び豊中営業所の事務所横の従業員の見やすい場所に、2週間掲示しなければならない。 記 年 月 日
自交総連大阪相互タクシー労働組合 執行委員長 X3 殿
大阪相互タクシー株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合および貴組合員に対して行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号および第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1) 貴組合のビラ配布、宣伝カーによる宣伝活動などの組合活動を妨害したこと (2) 貴組合員に対して、有給休暇届を受理せず、また、担当車の修理を遅らせるなどの差別的扱いを行い、組合からの脱退を強要したこと
3 申立人のその他の申し立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
0600 暴力行為
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が組合支部副委員長X1を、非組合員Z1に対する暴力行為についての事実書及び始末書の提出拒否を理由に、懲戒解雇したことが不利益扱いであり、支配介入であるとされた例。
1600 休暇の取扱い
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が組合を脱退しない組合員に対し有給休暇届を受理せず、また担当車の修理を遅らせたことが不利益取扱いであり、支配介入であるとされた例。
2700 威嚇・暴力行為
3020 組合活動への制約
組合が行った会社の経営方針を批判するビラ配布、宣伝カーによる宣伝活動などの組合活動に対し、ホースで組合員に水をかけたり、宣伝カーの周囲を取り囲んだりしての妨害行為が不当労働行為であるとされた例。
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
4407 バックペイの支払い方法
将来にわたる会社の組合活動の妨害及び組合員に対する脱退強要の禁止などの申立てについて、ポスト・ノーティスの救済をもって十分救済の実を果たすのでその必要は認めず、また、解雇がなければ受けるはずの賃金相当額の算定に当たって、賃金が毎月一定していないので、被解雇者の解雇前3ヵ月間の平均賃金を基礎に算出するものとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集78集299頁 |
評釈等情報 |
 
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