概要情報
事件名 |
日本浮世絵博物館 |
事件番号 |
長野地労委 昭和60年(不)第1号
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申立人 |
総評・全国一般労働組合長野地方本部 |
被申立人 |
財団法人 日本浮世絵博物館 |
命令年月日 |
昭和60年 8月27日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
休職後、復帰した組合員X1に対し、雑役作業に就労させたこと、組合員X2の仕事の内容等に関する団交拒否が争われた事件で、X1が休職前に行っていた業務などの仕事に就かせること、誠意をもって団交に応じること及び誓約書の事務室内での掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合員X1に対し、草取り、窓ふき、床磨きなどの雑役作業を行わせて仕事の上で不利益に取り扱うことをやめ、同人が休職前に行っていた庶務、受付業務などの仕事に就かせなければならない。 2 被申立人は、申立人からの団体交渉申入れに対し、団体交渉拒否の正当理由とはならない一方的な意向によって団体交渉を拒否することなく、誠意をもってこれに応じなければならない。 3 被申立人は、下記の誓約書を申立人に手交するとともに、同文を縦55センチメートル、横80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に楷書で明瞭に墨書して、被申立人事務室内の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。 記 誓 約 書 当博物館が行った次の行為は、長野県地方労働委員会により、不当労働行為であると認定されました。当博物館は、今後このような行為を繰り返さないことを、長野県地方労働委員会の命令により誓約いたします。 1 貴組合員X1に対し、同人が休職前に行っていた庶務、受付業務などの仕事に就くことを拒否し、草取り、窓ふき、床磨きなどの雑役作業を行わせて仕事の上で不利益に取り扱うとともに、展示替え作業日における就労や職員会議への出席を妨げたり、メモ用紙等による仕事の指示、終業時刻に係る一方的な指示・警告を行うなどのいやがらせを行ったこと。 2 貴組合から、昭和59年7月25日付で団体交渉の申入れのあったX2の仕事の内容等に関する件、同年10月13日付で団体交渉の申入れのあったX1に対する賃上げ及び夏季一時金要求の件並びにX2に対する賃上げ要求の件並びに同年12月10日付で団体交渉の申入れのあったX1に対する年末一時金要求及びX2に対するいやがらせをやめよとの件について、いずれも正当な理由なく団体交渉を拒否したこと。 昭和 年 月 日 総評・全国一般労働組合長野地方本部 執行委員長 X3 殿 総評・全国一般労働組合長野地方本部 松本支部日本浮世絵博物館分会 執行委員長 x1 殿 財団法人 日本浮世絵博物館 理事長 Y1 4 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
休職後、復帰した組合員X1に対し、雑役作業に就労させたことが不当労働行為であるとされた例。
2241 他の係争事件の存在
組合員X2の仕事の内容等、組合員X1に対する賃上げ及び一時金並びにX2に対する賃上げ及びいやがらせに関する団交申入れに対し、裁判所において係争中であり、裁判手続の中で解決する意志であること等を理由に、団交を拒否したことが不当労働行為であるとされた例。
4611 P.Nの掲示の場所を配慮した例
博物館の入口付近に誓約書の掲示を求める申立てに対し、事務室内の従業員の見やすい場所での掲示が相当であるとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集78集203頁 |
評釈等情報 |
 
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