労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  寿・九州興業 
事件番号  長野地労委 昭和59年(不)第5号 
申立人  総評・全国一般労働組合長野地方本部 
被申立人  株式会社 寿 
被申立人  九州興業 株式会社 
命令年月日  昭和60年 7月23日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  交通事故を起こしたことを理由として、分会の中心的存在であるX1を解雇したこと、社長らが組合脱退を示唆する発言等を行ったこと、夏季一時金等の要求書の受領を拒否したことが争われた事件で、原職復帰、バックペイ、支配介入の禁止及び誓約書の手交を命じ、夏季一時金等の要求書の受領拒否については申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人組合員X1に対して、次の措置を含め、昭和59年10月11日付の解雇がなかったと同様の状態に回復させなければならない。
(1)原職に復帰させること。
(2)昭和59年10月12日以降原職に復帰するまでの間に、同人が受けるはず であった賃金相当額を支払うこと。
2 被申立人は、次の行為をして、申立人組合松本支部九州興業分会の運営に支配介入してはならない。
(1)分会員に対し、申立人組合からの脱退を示唆する発言を行うこと。
(2)従業員を招集して、分会を批判する発言を行うこと。
(3)従業員の入社に際し、申立人組合に加入しないよう求めること。
(4)申立人組合及び分会の申入れを無視し、一方的に一時金を支給すること。
(5)団体交渉において、分会上部団体の団体交渉出席を忌避する発言を行うこと。
(6)分会員に対し、分会を否認する発言を行うこと。
(7)分会員に対し、組合活動を故として、解雇を行うほど不利益な取扱いを行うこと。
3 被申立人は、下記の誓約書を申立人に手交しなければならない。
            記
          誓 約 書
 当社が行った次の行為は、長野県地方労働委員会により、不当労働行為であると認定されました。当社は、今後このような行為を繰り返さないことを、長野県地方労働委員会の命令により誓約いたします。
1. 貴分会員X2及び同X3に対して、貴組合からの脱退を示唆する発言を行ったこと。
2. 従業員を招集して、貴分会を批判する発言を行ったこと。
3. 貴分会員X4の入社面接に際し、貴組合に加入しないよう求めたこと。
4. 貴組合及び貴分会の申入れを無視し、一方的に夏季一時金を支給したこと。
5. 団体交渉において、貴分会上部団体の団体交渉出席を忌避する発言を行ったこと。
6. 貴分会員X2に対して、貴分会を否認する発言を行ったこと。
7. 貴分会員X1を、同人の組合活動を故として解雇したこと。
   昭和 年 月 日
総評・全国一般労働組合長野地方本部
 執行委員長 X5 殿
総評・全国一般労働組合長野地方本部松本支部九州興業分会
 執行委員長 X2 殿
              株式会社 寿
               代表取締役 Y1
              九州興業株式会社
               代表取締役 Y1
4 申立人のその余の申立てを棄却する。 
判定の要旨  0500 勤務成績不良
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
交通事故を起こしたことを理由として、分会の中心的存在であるX1を解雇したことが不当労働行為であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
社長の、分会委員長に対する組合を脱退するよう示唆した発言が、不当労働行為であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
社長らの、入社してまもない分会員X3に対する組合から脱退するよう翻意を促した発言が、不当労働行為であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
会社招集の会合において、反組合的感情を露にし、暗に分会を批判した社長の発言が不当労働行為であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
分会員X4の入社面接において、組合に対する嫌悪の情を露にし、組合に加入しないよう求めた社長の発言が、不当労働行為であるとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
社長の、分会委員長に対する分会を否認する発言が、不当労働行為であるとされた例。

2901 組合無視
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合及び分会の申入れを無視したまま、夏季一時金を一方的に支給したことが、不当労働行為であるとされた例。

3103 労働協約締結をめぐる行為
夏季一時金等の要求書の受取を拒否したことについて、同要求書の提出時期が配慮を欠いていたこと、再び提出された同要求書を受領したことから、支配介入であるとまでは認められないとされた例。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集78集123頁 
評釈等情報   

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