労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  中川タクシー 
事件番号  奈良地労委 昭和59年(不)第6号 
申立人  奈良県自動車交通労働組合中川タクシー分会 
被申立人  中川タクシー こと Y1 
命令年月日  昭和60年 7月10日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  一時金等に関する不誠実な団交、交渉未妥結等を理由とする一時金の不支給、団交において社長が分会を誹謗したりする等の発言が争われた事件で、誠実団交の実施、一時金の支給、支配介入の禁止及びポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  1 被申立人は、申立人に対し、昭和58年年末以降の年末及び夏季一時金、賃金改訂、施設改善等の交渉事項について、誠実な団体交渉をしなければならない。
2 被申立人は、昭和58年年末以降の年末及び夏季一時金について、申立人と速やかに前記の団体交渉により解決したうえ、申立人の組合員に対し一時金を支給しなければならない。
3 被申立人は申立人に対し、昭和58年年末一時金の支給については5万円であると固執して、奈良地方裁判所葛城支部昭和55年(ワ)第 190号事件の和解金を回収しようと画策したり、団体交渉において、「支払った和解金を取り戻す。」などと発言して、申立人の組合活動に対して支配介入してはならない。
4 被申立人は、申立人に対して、本命令書受領の日から1週間以内に、縦1メートル、横2メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人の事務所内の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
            記
                    昭和 年 月 日
奈良県自動車交通労働組合中川タクシー分会
分会長 X1 殿
                中川タクシーことY1
 私が貴分会の昭和58年年末以降の年末及び夏季一時金、賃金改訂、施設改善等の要求に対し、誠実な団体交渉を行わなかったこと及び昭和58年年末一時金の支給については5万円であると固執して、奈良県地方裁判所葛城支部昭和55年(ワ)第 190号事件の和解金 630万円を回収しようと画策したり、団体交渉において貴分会に対し、「和解金 630万円を取り戻す。」などと発言したことは不当労働行為であると奈良県地方労働委員会により認定されました。今後このような行為を繰り返さないことを誓います。 以上、奈良県地方労働委員会の命令によって掲示します。
5 申立人のその余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  2240 説明・説得の程度
一時金等に関する団交において支給額の算定基準を明らかにしないこと等が、誠実に団交を行ったとはいえないとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
社長が団交の場で分会を誹謗したり、地裁における別件事件の和解金を一時金から取り戻す旨発言したことが不当労働行為であるとされた例。

2244 特定条件の固執
3106 その他の行為
昭和58年年末一時金について分会が応じないことを知りながら5万円とすることに固執し、更にそれ以降の一時金の支給について交渉未妥結を理由に支給しないことが不当労働行為であるとされた例。

4413 給与上の不利益の場合
4417 条件付命令・協議命令
一時金不支給に対する救済として、現に支給されてきた一時金の算定基準が明らかでないことから、労使間の団交により決定した上で支給するのが相当であるとされた例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集78集74頁 
評釈等情報   

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