概要情報
事件名 |
大河タクシー・敷島タクシー |
事件番号 |
広島地労委 昭和43年(不)第9号
広島地労委 昭和43年(不)第20号
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申立人 |
X1外1名 |
申立人 |
広島ハイヤータクシー労働組合 |
被申立人 |
株式会社 敷島タクシー |
被申立人 |
有限会社 大河タクシー |
命令年月日 |
昭和48年 2月15日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
違法争議行為の幹部責任を理由に合同労組員2名を解雇した事件で、原職復帰、バックペイを命じ、ポスト・ノーティスは棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人有限会社大河タクシーは、昭和43年7月15日懲戒解雇した申立人X1を原職に復帰させ、懲戒解雇後原職復帰までの間に受けるはずであった給与相当額を支払うこと。 2 被申立人株式会社敷島タクシーは、昭和43年9月21日懲戒解雇した申立人X2を原職に復帰させ、懲戒解雇後原職復帰までの間に受けるはずであった給与相当額を支払うこと。 3 その余の申し立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
車両、ビル内へのステッカー、ビラ張り行為は組合の宣伝活動として好ましいものとはいえない点もあるが、使用者がことさらに取り上げて責任を追求するほどのものではない。
0121 個人的活動
0209 会社役員宅等への抗議行動
0421 幹部責任
社長宅へのビラ張りなどは、個人的ないやがらせというほかないが、組合の指令によるものではないから、行為者本人において責任を負うべきもので、組合幹部の責任を問うべきものではない。
0415 職場占拠
組合が、争議行為の手段として車両を集結したことは、ストの実効を期するうえからとった措置であったとはうかがえるが、だからといってこれをもって、正当な組合活動とは認められない。
0421 幹部責任
本件車両集結は正当な組合活動とはいい難いが、車両破損の事実はなく、車両の定期整備にも応じているところから、組合幹部としてなした行為を使用者がとくに取り上げて制裁を加えるいわれはない。
0421 幹部責任
0422 実行行為者の責任
車両破損は、組合が破損防止の注意をしており、組合の指令に基づいたものとは認められないから、行為者本人の責任であって、組合幹部が責任を負わなければならない筋合いのものではない。
0421 幹部責任
本件争議中、組合が協同組合所有の施設を占拠、破損したことについては、協同組合と組合または個人との間で処理されるべき事項であり、使用者が直接組合幹部の責任を問うべき筋合いのものではない。
0417 法令・協約・信義則違反
0421 幹部責任
会社が争議中の違法行為を理由にX2およびX1に対して行なった懲戒解雇は、両名の責任でなかったり、また、責任を問うほどのものでないことからみて、両名が組合幹部であることを理由としたものであり、不当労働行為である。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集49集109頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1973. 6. 1 174号 85頁 
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