概要情報
事件名 |
池貝鉄工 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和58年(不)第21号
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申立人 |
X1 ほか38名 |
被申立人 |
池貝鉄工 株式会社 |
命令年月日 |
昭和60年 5月16日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社再建のために募集した希望退職者が目標人員に達しないとして、申立人X1ら38名の組合員を指名解雇したこと及び指名解散後、同人らに対し、会社構内にある組合事務所への立入りを拒否したことが争われた事件で、同人らの原職又は原職相当職への復帰及びバック・ペイ(年5分加算)の措置を含む、同人らに対する解雇がなかったと同様の状態の回復(審査中に死亡したX2については、死亡時までのバック・ペイの承継人(母)への支払い及び復帰までの間に、就業規則上の定年に達した者については定年退職の措置をとること)、組合事務所への立入り及び使用の妨害の禁止並びにポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人らに対する昭和58年6月9日付け解雇につき、次の措置を含め、同人らに対する解雇がなかったと同様の状態を回復させなければならない。 (1) 申立人らを原職または原職相当職に復帰させること。 (2) 申立人らに対する解雇の日から復帰までの間に、同人らが原職にあったならば得られたであろう諸給与相当額に年5分に相当する金額を加算して支払うこと。 (3) 申立人X2の申立承継人X3に対しては前記(2)の措置をX2の死亡に至るまでとるとともに、同人の死亡退職に伴う措置をとること。 (4) 申立人中前記(1)により復帰するまでの間に、就業規則上の定年に達した者については、就業規則第72条による定年退職の措置をとること。 2 被申立人は、申立人らに対し、同人らの所属する全国金属労働組合神奈川地方本部池貝鉄工支部の各組合事務所への立入り及び使用を妨害してはならない。 3 被申立人は、本命令交付後速やかに、下記内容の文書を縦1メートル50センチ、横3メートルの白色木板に墨書し、本社・神明事業所及び溝ノ口事業所の各正門前の被申立人会社掲示板など従業員の見易い場所に、命令交付の日から10日間(従業員の休日を除く。)掲示しなければならない。 誓 約 書 当社は、貴殿らに対し昭和58年6月9日付けで解雇し、同日以降組合事務所への立ち入りを拒否してきました。これらの行為は、今般、神奈川県地方労働委員会により労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為と認定されました。 当社は、上記行為につき深く反省し、今後再びこのような行為を繰り返さないことを誓約します。 年 月 日 氏名省略 38名各位 池貝鉄工株式会社 代表取締役 Y1 |
判定の要旨 |
3020 組合活動への制約
指名解雇された申立人らに対し、会社構内にある組合事務所への立入りを拒否したことが、不当労働行為とされた例。
2000 人員整理
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社再建のために募集した希望退職者が目標人員に達しないとして、申立人X1ら38名の組合員を指名解雇したことが、不当労働行為とされた例。
4407 バックペイの支払い方法
審査中に定年に達した被解雇者についての救済として、定年までのいわゆるバック・ペイと就業規則に基づく定年退職に伴う措置を命じた例。
5123 審査中の組合脱退・退職等の取扱い
審査中に申立人が死亡、その母親が申立てを承継することが認められた例。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集77集396頁 |
評釈等情報 |
 
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