概要情報
事件名 |
啓盛学園自動車学校 |
事件番号 |
北海道地労委 昭和59年(不)第23号
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申立人 |
啓盛学園自動車学校職員組合 |
被申立人 |
啓盛学園自動車学校 学園長 Y1 |
命令年月日 |
昭和60年 4月 2日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
学園長が、昭和59年度夏期一時金の引上げ、技能指導員(夜間要員)の賃金及び昭和59年度越冬手当の引上げに関する団交に、実質的な権限のない学校長だけを出席させ誠意をもって応じなかったこと、越冬手当について組合との妥結前に、一方的に希望者に支給したことが争われた事件で、上記事項に係る団交に学園長自ら出席して資料を提示するなどして誠意をもって応ずること、一方的支給等による支配介入の禁止並びにポスト・ノーティスを命じ、越冬手当に関する団交応諾を求める申立ては、同手当が妥結・支給済みであるとして、棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人が申し入れた昭和59年度夏期一時金の引上げ及び技能指導員(夜間要員)の賃金の引上げに係る団体交渉に、自ら出席して資料を提示するなどして速やかに誠意をもって応じなければならない。 2 被申立人は、申立人が申し入れた昭和59年度夏期一時金の引上げ、技能指導員(夜間要員)の賃金の引上げ及び昭和59年越冬手当の引上げに係る団体交渉に誠意をもって応じなかったり、申立人との交渉妥結前に越冬手当につき一方的に調査し、一方的に希望者に支給したりして、申立人の運営に支配介入してはならない。 3 被申立人は、下記内容の陳謝文を縦1メートル、横 1.5メートルの白色木板に楷書で墨書し、啓盛学園自動車学校の正面玄関の見易い場所に命令交付の日から7日以内に10日間掲示しなければならない。 記 陳 謝 文 私が、昭和59年度夏期一時金の引上げ、技能指導員(夜間要員)の賃金の引上げ及び昭和59年度越冬手当の引上げに係る団体交渉において、誠意をもって応じなかったり、また、越冬手当について妥結前に、一方的に希望者に支給したりしたことは、労働組合法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると北海道地方労働委員会で認定されました。 ここに深く陳謝いたしますとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。 昭和 年 月 日(掲示の日) 啓盛学園自動車学校職員組合 執行委員長 X1 殿 啓盛学園自動車学校 学園長 Y1 4 申立人のその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
2248 実質的権限のない交渉担当者
昭和59年度夏期一時金の引上げ、技能指導員(夜間要員)の賃金及び昭和59年度越冬手当の引上げに関する団体交渉にY1学園長が出席せず、単にその回答を伝える程度のY2校長を代理出席させ対応したことが、誠意ある団体交渉を行ったものとは認められないとされた例。
2900 非組合員の優遇
組合との妥結前に昭和59年度越冬手当を希望した非組合員に対し、同手当を支給したことが組合に対する支配介入行為であるとされた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
昭和59年度越冬手当は労働委員会における審問終結時には既に妥結し、支給済みであることから、同手当について団交応諾を求める申立てが棄却された例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集77集283頁 |
評釈等情報 |
 
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