労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  明治屋 
事件番号  愛知地労委 昭和56年(不)第7号 
申立人  総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部 
被申立人  株式会社 明治屋名古屋支店 
被申立人  関西明治屋商事株式会社 他1事業所 
被申立人  株式会社 明治屋 
命令年月日  昭和60年 2月28日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  昭和55年の賃上げ及び一時金の査定において、申立人組合の組合員を低査定したこと、組合員11名を係長待遇に昇格させなかったこと、N支店における職場要求事項以外に関する団交拒否、食堂兼休憩室の使用拒否が争われた事件で、賃上げ及び一時金の是正・差額相当額の支払い、係長待遇1級への昇格、職務手当相当額の支払い及び文書交付を命じ、団交拒否及び食堂兼休憩室の使用拒否については申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人株式会社明治屋及び同関西明治屋商事株式会社は、申立人総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部に所属する別紙(省略)記載の組合員27人につき、昭和55年の賃上げの査定分の金額を昭和55年4月1日に遡及して査定分の平均金額 1,221円に是正し、同人らに対し、それぞれ、是正前の査定分の金額を基礎として既に支払われた賃金と是正後の査定分の金額を基礎として計算した賃金との差額相当額を速やかに支払わなければならない。
2 被申立人株式会社明治屋及び同関西明治屋商事株式会社は、申立人総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部に所属する別紙記載の組合員27人につき、昭和55年の夏期一時金の査定分の金額を査定分の平均金額31,769円に、同年の年末一時金の査定分の金額を査定分の平均金額31,199円に各是正し、同人らに対し、それぞれ、是正前の査定分の金額を基礎として既に支払われた夏期一時金及び年末一時金の金額と是正後の査定分の金額を基礎として計算した夏期一時金及び年末一時金の金額との差額相当額を速やかに支払わなければならない。
3 被申立人株式会社明治屋及び同関西明治屋商事株式会社は、申立人総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部に所属するX1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10及びX11を昭和56年4月1日に遡及して係長待遇1級に昇格させ、同人らに対し、それぞれ、昭和56年4月以降の月額 2,000円の職務手当相当額を支払わなければならない。
4 被申立人株式会社明治屋及び同関西明治屋商事株式会社は、申立人総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部に対し、下記文書を本命令書交付の日から7日以内に交付しなければならない。
              記
 当社が昭和55年の賃上げ及び一時金の査定にあたって、貴組合員らを不利益に取り扱ったこと、貴組合員11人を係長待遇1級に昇格させなかったことは、労働組合法第7条第1号に該当する不当労働行為であると愛知県地方労働委員会によって認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
   昭和 年 月 日
 総評全国一般全明治屋労働組合名古屋支部
  執行委員長 X12 殿
             株式会社明治屋
               代表取締役 Y1
             関西明治屋商事株式会社
               代表取締役 Y1
5 申立人のその余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  1202 考課査定による差別
昭和55年の賃上げ及び一時金の査定において、申立人組合の組合員を低査定したことが不当労働行為であるとされた例。

1200 降格・不昇格
申立組合員11名を係長待遇に昇格させなかったことが不当労働行為であるとされた例。

5121 挙証・採証
N支店は、職場要求等に関する団交に応じただけで、他の団交を拒否しているとの主張に対し、団交申入れの形式、議題、団交拒否の具体的状況等についての立証がないことから、棄却された例。

2800 各種便宜供与の廃止・拒否
食堂兼休憩室の使用拒否には合理的理由がなく、組合活動の妨害をねらったものであるとの主張が斥けられた例。

4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
結審時までに退職した3名の救済申立てについて、退職と同時に組合規約により組合員資格を失っていると認められるから、救済の対象から除外するのが相当であるとされた例。

4905 経営補助者
N支店は、食堂兼休憩室の使用及びN支部要求に係わる団交につき、独自の権限を有するとして、被申立人適格を有するとされた例。

5145 救済内容が実現不可能
申立人組合が賃金差額の支払を求めていることについて、これは原状回復を求めるものではなく、過去に遡って原状の変更を求めるものであって、原状回復を目的とする不当労働行為救済制度に親しまないものであり、制度的に許容される範囲を逸脱するもの、即ち法令上実現することが不可能である救済を求めているから却下事由に該当するとの被申立人主張が斥けられた例。

5141 補正されない申立て・要件不備
組合員が賃上げ等において不利益取扱いを受けたことについて、具体性を欠き、不当労働行為を構成する具体的事実の要件を満足させていないから却下事由に該当するとの主張が斥けられた例。

業種・規模  卸売業、小売業、飲食店 
掲載文献  不当労働行為事件命令集77集168頁 
評釈等情報   

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約710KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。