概要情報
事件名 |
第2日之出化学工業 |
事件番号 |
京都地労委 昭和61年(不)第17号
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申立人 |
化学一般労働組合連合京都滋賀地方本部 |
申立人 |
化学一般日之出化学工業労働組合 |
被申立人 |
日之出化学工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和62年12月23日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)出向、配員の変更及び配転、(2)円滑、正常な労使関係の回復、(3)出向拒否者等の処遇、(4)一時金、春季諸要求等の団交申入れに対し、実質的な「話合い」に応じていること、申入れ事項は既に救済利益がないこと、組合の団交当事者性に問題があることを理由に拒否したことが争われた事件で、上記(1)ないし(3)の事項について誠意団交応諾を命じ、(4)に関する請求は棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は申立人化学一般日之出化学工業労働組合の申入れに係る下記の事項について、同申立人との団体交渉に誠意をもって応じなければならない。 記 (1)出向、配員の変更及び配置転換に係る事項 (2)円滑、正常な労使関係の回復に係る事項 (3)出向拒否者及びその他の申立人組合の組合員の処遇に係る事項 2 申立人のその余の請求は棄却する。 |
判定の要旨 |
2114 組合の不存在
会社の合理化計画への対応をめぐって、組合が二分し事実上分裂したことが認められ、組合の承継性の判断はともかく、少なくとも申立人組合が独立した労働組合として存在していることは否定できず、会社は団交に応ずべき立場にあるとされた例。
2301 人事事項
青梅工場への出向については、単に青梅工場への出向問題にとどまらず、出向一般についてのルール設定を求めてのものであるから、依然未解決の問題であるとされた例。
2301 人事事項
2301 人事事項
配員の変更及び配転に係る事項についての団交はいまだ団交が尽くされたとは認め難く、その後組合は再三にわたり団交を申し入れており未解決であるとされた例。
2253 受取り拒否・申入れなし
組合が再三にわたり団交を申し入れたのに対して、会社は話し合いなら応じるとの態度を一貫してとったことは、組合が団交と認めない以上労組法上の団交とはいえないとされた例。
2253 受取り拒否・申入れなし
62年春季ベア及び就業規則等の一部変更については、いずれも団交の申入れがないので本件救済申立てを棄却するとされた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
人員合理化の実施、出向拒否者の処遇、一時金、春季ベースアップ等の要求については組合員が生産奨励金を受領し、組合は終結を申し入れていること等から一応決着をみたもので救済利益は失われているとされた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
61年年末一時金については、組合員が供託金を受領していること、その後本件について話し合いの申入れをした形跡がないこと等から本件は解決済であるとされた例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集82集467頁 |
評釈等情報 |
 
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