概要情報
事件名 |
田中機械 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和53年(不)第106号
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申立人 |
日本労働組合総評議会全国金属労働組合大阪地方本部田中機械支部 |
被申立人 |
破産者田中機械株式会社 破産管財人 Y1 |
被申立人 |
破産者田中機械株式会社 破産管財人 Y2 外個人1名 |
被申立人 |
田中機械 株式会社 |
命令年月日 |
昭和62年 8月18日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、経営悪化を理由に破産申立てを行い従業員を全員解雇したこと、組合の自主生産中に管財業務のための仮処分決定に基づく強制執行が行われたこと、管財人が団交を拒否したことが争われた事件で、会社が破産宣告を受けているので、組合員についての原職復帰を命ずるのは相当でないとして、解雇がなかったものとしての取扱いとバックペイ(年5分加算)及び文書手交を命じ、管財人の団交応諾に関する申立ては、議題が既に発した別件の救済命令のそれと同一趣旨のものであるとして却下し、管財人の発言等に関する申立ては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人田中機械株式会社、同破産者田中機械株式会社破産管財人Y1及び同破産者田中機械株式会社破産管財人Y2(以下両破産管財人を「管財人」という)は、申立人組合員に対して、昭和53年11月4日付け解雇がなかったものとして取り扱い、解雇の日の翌日以降同人らが受けるはずである賃金相当額及びこれに年率5分を乗じた金額を支払わなければならない。 2 被申立人田中機械株式会社は、申立人に対して、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 日本労働組合総評議会全国金属労働組合 大阪地方本部田中機械支部 執行委員長 X1 殿 田中機械株式会社 代表取締役 Y3 当社が、昭和53年9月13日付けで大阪地方裁判所に対して破産を申し立て、同年11月4日付けで貴組合員全員を解雇した行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、ここに陳謝いたします。 3 申立人の管財人及び被申立人Y4に対する昭和54年6月26日付け「(1)労働債権(2)従来よりの協議継続事項(3)昭和54年6月22日の強制執行(4)その他」を議題とする団体交渉開催の申入れに係る申立ては却下する。 4 申立人のその他の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1800 会社解散・事業閉鎖
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
破産申立てを行い本件解雇を行ったことは、組合を嫌悪していた社長らが通謀して、会社経営の維持存続させていた組合の壊滅を企図した行為と認められ不当労働行為であるとされた例。
4913 破産管財人
組合の、破産管財人を辞任したY4に対する団交申入れは、破産管財人の地位を喪失していたから団交の当事者適格はないとして、団交応諾に関する申立てを却下した例。
3102 争議対抗手段
破産管財人を辞任したY4が管財人と通謀して団結権を破壊する強制執行を行わしめたとの申立ては、それを認めるに足りる疎明がないとして棄却した例。
4402 企業閉鎖・偽装解散と救済
申立人組合は、原職又は原職相当職を求めているが、会社が破産宣告を受けていることから、復帰を命じることは相当でないとされた例。
5147 その他
本件団交申入れによる交渉議題は、既救済命令と同一趣旨の議題に係る本件申立てと認められるから、重複した救済であるとして却下した例。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集82集162頁 |
評釈等情報 |
 
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