概要情報
事件名 |
朝日印刷 |
事件番号 |
福岡地労委 昭和61年(不)第10号
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申立人 |
X1 |
申立人 |
総評・全国一般労働組合福岡地方本部 |
被申立人 |
朝日印刷 株式会社 |
被申立人 |
破産者朝日印刷株式会社破産管財人 |
命令年月日 |
平成 1年 4月21日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)分会長、書記長を作業予定表の不提出等を理由に懲戒解雇したこと、(2)賃金等に関する団交を拒否したことが争われた事件で、(1)会社に対し両名の解雇撤回、破産管財人に対しバック・ペイの支払い(2)誠意をもっての団交応諾を命じ、両名の原職復帰及び陳謝文の掲示については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人朝日印刷株式会社は、申立人総評・全国一般労働組合福岡地方本部北九州支部朝 日印刷分会分会長X2及び同書記長X1に対してなした昭和61年6月30日付解雇を撤回しな ければならない。 2 被申立人破産者朝日印刷株式会社破産管財人Y1は申立人組合と昭和61年度賃上げ及び同 年夏期一時金にかかる団体交渉に誠意をもって応じなければならない。 3 被申立人破産者朝日印刷株式会社破産管財人Y1は主文第1項記載のX2及びX1に対 し、両名の昭和61年6月30日付解雇以降の賃金相当額(仮処分決定等により受領した金員を 除く)を支払わなければならない。 4 申立人らのその余の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0200 宣伝活動
被解雇者たる2名の解雇理由の一つである教宣活動は、その態様やビラの内容において不当視しなければならない理由はなく正当な組合活動であるとされた例。
0500 勤務成績不良
被解雇者たる2名の解雇理由である写植作業予定表を怠った事実などはいずれも根拠薄弱あるいは軽微にすぎ、解雇理由たりえず、本件解雇は不当労働行為であるとされた例。
2232 宣伝活動
組合のビラ配布を理由に賃金・一時金等に関する断行を拒否していることが不当労働行為であるとされた例。
4407 バックペイの支払い方法
4913 破産管財人
被解雇者に対する賃金相当額の支払いについては破産管財人において受理し、処理すべきであるとして破産管財人あてその支払いを命じた例。
4402 企業閉鎖・偽装解散と救済
会社及び管財人は、被解雇者2名の解雇撤回自体の命令について、現状においてもこれに応ずべき義務があるが、会社は破産決定をうけ営業が事実上廃止されていることから、会社あて原職復帰までは命じないこととした例。
4502 交渉事項を対象に交渉出席者に触れた例
賃上げ及び夏期一時金については、断交の結果如何によって破産債権の一部となりうる可能性を残しているので、破産管財人において団交に応ずるよう命じた例。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集86集129頁 |
評釈等情報 |
 
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