概要情報
事件名 |
太陽タクシー |
事件番号 |
福井地労委 昭和62年(不)第7号
福井地労委 昭和63年(不)第1号
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申立人 |
太陽タクシー労働組合 |
被申立人 |
有限会社 太陽タクシー |
命令年月日 |
昭和63年11月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合結成直後に組合委員長X1に対し雇用期間を1年と定めた嘱託辞令を交付したこと、(2)団交申入れを拒否したこと、(3)組合副委員長X2らを不便なM営業所に集中配転したこと、(4)組合員X3に対し社員寮からの退去通告をしたことが争われた事件で、(1)X1に対する嘱託辞令の撤回(2)誠意ある団体交渉の実施(3)配置転換等による支配介入行為の禁止(4)これらに関する文書手交を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人組合執行委員長X1に対して交付した昭和63年11月20日を雇用期限とする嘱託辞令を撤回しなければならない。 2 被申立人は、申立人組合が申入れた団体交渉については、十分な説明をし、実質的な議論を尽くすなど、誠意ある団体交渉を行わなければならない。 3 被申立人は、今後申立人組合組合員を組合員であることを理由に配置転換するなどして、組合の団結に影響を与えるような支配介入行為をしてはならない。 4 被申立人は、申立人組合に本命令交付の日から10日以内に下記文書を手交しなければならない。 記 当社が行った次の行為は、福井県地方労働委員会において労働組合法第7条に該当する不当労働行為と認定されました。 今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 1 貴組合執行委員長X1に対して雇用期限を昭和63年11月20日とする嘱託辞令を交付したこと 2 貴組合から申入れのあった団体交渉を正当な理由なく拒否し、昭和63年1月12日および同年3月22日の団体交渉を誠実に行わなかったこと 3 貴組合組合員を三ツ屋営業所へ集中配転したこと 4 X3組合員に対して三ツ屋の社員寮からの退去通告をおこなったこと 昭和63年11月 日 太陽タクシー労働組合 執行委員長 X1 殿 有限会社太陽タクシー 代表取締役 Y1 5 その余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1604 その他
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合結成直後、執行委員長X1に期間1年の嘱託の辞令を交付したことが不利益取扱いとされた例。
2240 説明・説得の程度
社長が、組合の要求に対して、団交の席上資料等を提示せず、要求を認められない根拠等について十分な説明をしなかったことが誠実に団交に応じたものとはいえないとされた例。
2245 引き延ばし
組合結成以降、組合からの再三にわたる団交申入れを、多忙を理由に応じなかったことが不当労働行為であるとされた例。
1602 精神・生活上の不利益
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
組合員X3に対して、社員寮からの退去を通告したことが支配介入に当たるとされた例。
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合副委員長らを、勤務上不便の多い営業所へ集中配転したことが支配介入に当たるとされた例。
3106 その他の行為
組合書記長X4が、親睦会の班長職を失ったことが、会社が同人を親睦会から除名したものであるとまではいえないとされた例。
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
組合結成直後に執行委員長X1に期間1年の嘱託の辞令を交付したことが不利益取扱いとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集84集485頁 |
評釈等情報 |
 
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