概要情報
事件名 |
アピデナカショウ |
事件番号 |
大阪地労委 昭和62年(不)第40号
大阪地労委 昭和62年(不)第80号
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申立人 |
総評東地域合同労働組合 |
被申立人 |
アピデナカショウ 株式会社 |
命令年月日 |
昭和63年10月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)62年度賃上げに関する不誠意団交、(2)専務取締役らによる組合活動牽制発言、(3)組合員のみに残業を拒否、(4)非組合員を入寮させ、反組合活動をさせたこと、(5)就業規則改訂に関する組合の協議要求に誠実に対応しなかったことが争われた事件で、(1)について誠実に団体交渉に応ずること及び(1)乃至(5)に関する文書手交を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人から昭和62年3月23日付けで申し入れのあった昭和62年度賃上げに関する要求について「既に決定、支給済である」との回答に固執することなく、誠意をもって速やかに団体交渉に応じなければならない。 2 被申立人は、申立人に対して、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 昭和 年 月 日 総評東地域合同労働組合 執行委員長 X1 殿 アピデナカショウ株式会社 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 (1) 当時のY2ら当社職制が、貴組合ナカショウ分会員に対して、貴分会結成直後、「もう一度考え直せるものなら考え直せ。」などとの発言を行ったこと。 (2) 貴組合ナカショウ分会員に対して、貴分会結成後から昭和62年5月上旬頃までの間残業をさせなかったこと。 (3) 貴組合から申入れのあった昭和62年度賃上げに関する団体交渉に誠意をもって応じなかったこと。 (4) 会社の城南寮に非組合員を入寮させ、反組合活動を行わせたこと。 (5) 貴組合から申入れのあった就業規則の改訂に関する協議要求に誠実に対応しなかったこと。 3 申立人のその他の申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
0210 リボン・ワッペン等の着用
本社勤務の分会員が腕章を着用して就労したのは、その目的等からみて、正当な組合活動の範囲内であるとされた例。
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
分会結成後、分会書記長に残業させなかったことが不当労働行為であるとされた例。
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
腕章を着用して就労した本社勤務の分会員に残業を命じなかったことが不当労働行為であるとされた例。
2244 特定条件の固執
組合の賃上げ要求に対し、支給済ないし上積みは不可能との回答に固執した会社の態度が不誠実であるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2610 職制上の地位にある者の言動
会社の幹部職制による本件発言は、いずれも分会結成等の組合活動に対して、威圧ないしはけん制する発言であり支配介入に当たるとされた例。
2901 組合無視
就業規則の改訂にあたって組合の協議要求等を無視して組合の存在を軽視する態度をとったことが支配介入に当たるとされた例。
2900 非組合員の優遇
会社が主任ら非組合員6名を会社寮に入寮させたことが、同人らの入寮後の行動等からみて、反組合活動を行わせるためのものと判断されるので、かかる会社の行為は支配介入に当たるとされた例。
2302 労務管理・労使関係
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
分会が結成された時期に就業規則中服務規則に関する規定の新設、懲戒に関する規定の詳細化を行ったことが直ちに支配介入に当たるとはいえないとされた例。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集84集340頁 |
評釈等情報 |
 
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