概要情報
事件名 |
トーカド・サンパック |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和62年(不)第37号
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申立人 |
化学一般東京労働組合サンパック分会 |
申立人 |
化学一般東京労働組合 |
被申立人 |
株式会社 サンパック |
被申立人 |
株式会社 トーカド |
命令年月日 |
昭和63年 9月28日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)恵比寿サービスセンターを閉鎖し、組合員2名を就労させないこと、(2)上記2名の62年夏期一時金及び同年9月分以降の賃金を支払わないこと、(3)上記問題の団体交渉申入れを拒否していることが争われた事件で、(1)2名につき従前と同一条件での就労、(2)バック・ペイ、(3)団体交渉の応諾及びこれらに係る文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人らは、恵比寿消費者サービスセンター、又は同センターと同一条件のもとで、申立人組合員X1及びX2を就労させなければならない。 2 被申立人らは、申立人組合員X1及びX2に対し、昭和62年夏季一時金及び昭和62年9月以降同人らが受けるはずであった賃金相当額に年5分相当額を加算して支払わなければならない。 3 被申立人株式会社トーカドは、申立人組合員らの使用者ではないとの理由をもって恵比寿消費者サービスセンター問題に関する申立人らとの団体交渉を拒否してはならない。 4 被申立人らは、本命令交付後速やかに下記誓約書を、縦1メートル、横2メートルの白色木板に楷書で明瞭に墨書し、被申立人らの本社の各正面入口の従業員の見やすい場所に、見やすい状態で10日間掲示しなければならない。 誓 約 書 株式会社サンパック及び株式会社トーカドが、恵比寿消費者サービスセンターを閉鎖し、これにより貴組合員に就労の機会を与えないこと及び昭和62年夏季一時金と賃金を支払わないこと、並びに株式会社トーカドが貴組合からの団体交渉申入れを拒否したことは、労働組合法第7条に違反する不当労働行為でした。 会社は、このような不当労働行為に及んだことを深く反省するとともに、今後再びこのような行為を繰り返すことなく、正常な労使関係の確立に努めることを誓約いたします。 年 月 日 株式会社 サンパック 代表取締役 Y1 株式会社 トーカド 代表取締役 Y2 化学一般東京労働組合 執行委員長 X3 殿 同 サンパック分会 執行委員長 X1 殿 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
1800 会社解散・事業閉鎖
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
トーカド及びサンパックは、サービス部門を閉鎖し、組合員に就労の機会を与えないこと、一時金及び賃金を支払わないことが不当労働行為であるとされた例。
2400 その他
トーカドがサンパックのサービス部門の閉鎖についての諸問題に関する団交を拒否したことが不当労働行為であるとされた例。
4916 企業に影響力を持つ者
トーカドはサンパックの従業員の労働条件の決定など労働関係について実質的にその支配力を行使していたことから、サンパックのサービス部門の閉鎖にかかる雇用問題等につき団交当事者たる責任を負うとされた例。
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集84集288頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 坂本 堤 1989年2月25日 1210号 59頁 
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